チョッと不思議な夫婦 ２【TH】

足元ご注意 ページ34

KAMIKI side



事務所に顔を出しに来てみれば所々泥がついているAちゃん
泥がついている時点でおかしいけれど顔よ
顔‼

女優らしくない顔をしてるよ
いついかなる時も誰かにみられてると思って行動しろってこの前マネージャーさんに言われてたじゃん


それなのにこの顔また怒られちゃうぞ






『アッ神木君』



「えっと大丈夫？」



『これを大丈夫と思うなら眼科をお勧めします』






これは相当いらついてるな
どちらかというとこの汚い体を今すぐ洗い流したいっていう感じが伝わってくる

こういうのはきっと潔癖症とか関係ないんだろうな
俺もこんな風に泥だらけになったら嫌だ



でもこんなに泥だらけになるなんて何をしたのだろうか
外は晴れてるし泥っていう雰囲気はない

それなのに泥だらけって






「そのどうしたのその体っというか服」



『落ちた
　子供たちが泥で遊んでるところにこけて・・・』



「ご愁傷さまだね
　それにそれって転んだだけじゃないの？」



『ブロックの上から落ちた
　体幹はしっかりしてるのに押されたら流石に落ちた』








押されたら落ちた？
それって大丈夫な奴なの⁉






『押されたって言っても風にだけれどね
　一気に風が吹いてスカート抑えてたら足元のバランスを崩しちゃったんだよね』



「そっか
　それならよかったよ一瞬・・・」



『それもあるかもしれません
　私のこと恨んでる同業者とか一般人もたくさんいそうですし』



「Aちゃんに？
　あんなにみんなから愛されているのに？」







みんなから愛されてるイメージが強い
そんなAちゃんのことを恨んでる人がいるってこと？

ただでさえエゴサをしてもAちゃんのアンチなんていないよ
逆にほめてることが多いのにもかかわらず・・・



そうなると俺はどうなるのだろうか






『毎回オーディションに行ったりすると必ず会うことかに睨まれたりしてくる人がいたり一般人だと手紙でいわれるよ』



「手紙で⁉」



『でもきつくではなくて優しくね』






うん、めちゃくちゃ怒ってるよね
唇をすっごく触っている

ドロドロであんまりいやなことを思い出されちゃったもんね






「まぁともかく今日はお疲れ」



『次から足元には注意しようと思います
　アッ神木君も背中には注意してね』






不敵な笑みでいわれると心当りを探しちゃって嫌なんですけど
俺なんかしたっけ？


背中には注意しておこう

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