チョッと不思議な夫婦【TH】 (ページ34)

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「どうして？」

『女の子ができた時に急にケーキを作れとかカップケーキを作れなんて言えないじゃん』

「何年先のことを見据えて話してるの」

『夢だもん
　子供ができたら一緒に料理したい』

親がアイドル、女優だからっといってそういう芸能の道に進んでほしいわけではない。
自分でしっかり決めた道を歩んでいってほしい

でもどんなことであろうとも料理は一緒に作ってみたい
おばあちゃんみたいに上手く教えられることはできなくても楽しく作れればいい

その夢を達成するべくクッキーは絶対に作れるようになってたい

「姉さんって不思議ですよね」

『どこが？』

「いや子供ができたら仕事とかどうするのかなって
　今でさえ休みがないのに子供と料理なんて出来るのかなって」

『子供ができたら４歳ぐらいになるまではCMとかモデルの撮影だけにしようかなって思ってる』

「ふーん・・・まっ弟の僕には関係ないんだけれどね
　ヒョンにちゃんと相談するんですよ」

『はい、はい』

「はいは一回でいい」

『はーい』

こういう会話をしているとどっちが姉でどっちが弟なのかが分からなくなる
たぶん私はこういう頭の考え方をお母さんのお腹の中に忘れてきてしまったのかもしれない

きっとそうであることを願おう

『まぁきっとその時にはおいしくクッキーが作れるようになってるであろう』

「姉さんならできるよ」

『そうだといいね』

「まずは料理番組でクッキーを作らないことを僕は心のどこかで願ってるよ」

料理番組
流石に料理番組でクッキーを作ることなんてあるのだろうか

番組企画としてはやらなくてもうちのマネージャならやる
最近私のことを遊び半分で弄りたがってる
それで復讐として私の苦手なクッキーを作ろうてきな感じの活動をするかもしれない

それに絶対心の奥底にそんな気持ちなんてないだろ
だって頭の中の４０％が仕事２０%が練習残りの４０%がファンの人間だもの
家族のことなんて入ってるわけないだろ

「僕明日、リハーサルで全部通すのにこれ食べろって言うの？」

『味は悪くはないんだよ
　見た目がそのこ性的なだけだから』

「じゃあ姉さんが一人で食べて僕は無理
　でも明日スタッフさんに差し入れしたいから何かお菓子作ってよ」

『別にいいよ
　まぁ夜も深いけれど明日は昼からの撮影だから』

「よろしく」

可愛くはないけれど弟のために一肌脱ぎますか