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ずっと変わらぬ強さで首を絞めつけていたAの手が急に緩んだ。
そしてその手は離れた。
TH「ゴッホゴッホッホッ」
『んふふ』
またあの気味の悪い笑みを浮かべ消えていった。
テヒョンにはもう動く気力さえもなかった。
諦めたらそこで終了みたいなことを大好きな日本の漫画の中で先生が言っていた気がしたがもうテヒョンには動く気力がないのだ
精神的なショックと肉体的に首を絞められたため衝撃は大きかった。
いま、テヒョンが一番嫌なのは死ぬことではなく自分が死んでしまったらAが人殺しになってしまうことだった。
自分が死んでも空の上からまたAを見守っていれば幸せだ。
きっとAのことだろうから機微を閉めていたのはちょっとしたお遊びで本気で殺してくれる時には苦しまないようにスッと殺してくれるはず
だからこそ自分が死んでからのことを考えていた。
『テーヒョン』
ハートマークがつきそうな甘ったるくいつものAなら苦笑いしそうな声にギョッとする
何が何だかわからない
テヒョンは死ぬことを受け入れていた。
だから、最後の力を振り絞ってAに問う
TH「なんで俺を殺そうとするの」
声はかすれてて蚊の鳴くようなものだった。
いつものあのキラキラしたあの声ではなかった。
その問いにAは心底驚いたようだ。
普通ならば想定内のはずの質問なのにAにとっては考えもつかなかった質問なのだろうか。
考えがつかなかったわけではないだろう。
ただ、彼女はおとなしく自分に殺されると思っていた。
そうだろう。
ココでしゃべってくるかっという驚きですぐに言葉が出なかった。
それだけである。
『・・・なんでかー。
逆になんでだと思う』
TH「えっ」
『自分がアイドルで私にかまってあげられなかったから。
他の女の子にも可愛いとか言っちゃうから。
アイドルなのにファンの前で妻とのことで惚気るから・・・何故だと思う』
全部、Aなら受け入れてくれると思っていた。
昔からの付き合いだし不安があるなら直接言ってくるような子だったから
思い当たるふしが多いからどれか一つに決めることができなかった。
どの理由にしろ、自分が悪いのだから。
自分がもっともっと・・・・もっとAに気を使ってあげるべきだった。
愛してあげるべきだった。
ファンと同じ愛の量をAにあげてはいけなかったんだ。
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cielo(プロフ) - みゆきさん» ありがとうございます。 (2022年3月17日 12時) (レス) id: 9dc857b850 (このIDを非表示/違反報告)
みゆき(プロフ) - いつも楽しくお話拝見させて頂いてますTwitterフォローさせて下さい宜しくお願いします (2022年3月15日 21時) (レス) @page29 id: 33b6e6a7a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:cielo | 作成日時:2021年11月14日 17時