通称、氷姫 【黒】

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【撮影時】



真冬なのにも関わらずスタジオは暖房どころか冷房がついている。
スタッフさんは少し顔色を悪くしつつも暖かそうなダウンやら防寒着で体を包んでいる。


しかし私はこの様な状態なのに水着というよりは下着姿。



今回の撮影では二種類のコンセプトがあるらしい。
一つが私、姫宮Aを知ってもらおうという氷姫をイメージしたもの。
二つ目は大人の女性の夜事情



まずは一つ目の写真を撮るということで凍える様な寒いスタジオで待機。






弟「なんかあったかい飲み物買ってこようか」



『二つ目のコンセプトに入る前に休憩とかスタジオ移動が入るからその時に体を温めれる様な準備をしていてほしい』



弟「ん、了解」






本当にわかっているのか。
今日は新田さんもおにぃも彼女(妻)との用事があるらしく急遽弟がマネージャー業に入ったはいいものの安心ができない

弟は昔は私と似た立ち位置にいたためあまりマネージメントに適していない



言わないとやらないし。






「スタジオの準備が整いましたので撮影開始します」






っとの合図があったのでカメラの前のセットを使いながらポージングをとる

セットは氷を使ったものが多く触ると冷たい



上からはよくドラマなどに使われる人工雪が降ってきている。




あぁ世間からのイメージってこんなにも冷たいものなんだと思ったりした。






「じゃ、最後に棺桶に入ってね
上から氷の板を乗せるよ」



『わかりました』





棺桶の中にもふわふわの綿ではなく冷たい雪と氷で作られた花が入っていた。

蓋も閉められて上からカシャリと写真を撮られる。



目を閉じて眠るふり、どこか儚げな雰囲気の顔。
どれが正しいのかわからない




わからないんだよな






目を閉じて目から何かが溢れる感覚とスーッと誰かに抱き抱えられる感じがした



次、目を開けたら体が痛いほど暖かかった






弟「起きた？
なんか撮影中に寝ちゃったみたい。
周りは意識がなくなったと勘違いしてたけど」



『優緻が運んでくれたの？』



弟「いや、俺は緊急じゃない限りは好きな人以外を運ぶとかムリだから」



『…あっそう』






イラッときたのは言うまでもない。
ゆうくんは性格がアウトなのだ


実の姉に向かってこれなのだから



男としてはいい男なのかもしれないが
好きな女の子にはとことん尽くすタイプだし

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