U ページ33
オフシーズンが始まってすぐに皆実家に帰っていった。まぁツアー終わりだし家族に会いたいもんね。
私の事を気にしてるみたいだったから、出かけるから心配するなと言っておいた。
深夜の空港に迎えにきてくれたのは、
U(やっぱりね、、。)
そう、上野さん。今日もペンションに泊まる。
(お疲れ様。あの事を世間に言ってから何もないか？)
U(大丈夫。そんでね、決めたんだけどさ。)
翌日。私は実家に来ていた。
(Aちゃ〜ん！おはよう〜)
上野さんが連れてきてくれたのは、
ピアスは大量。髪の色は派手。腕にはタトゥー。
彼の昔のお仲間さん達だった。今は皆さん普通に生活してるみたいだけど。
彼らはARMYだと言うので握手したり、歌ったり。仲良くなっちゃった。
(じゃあこの家にあるもんとりあえず全部だせ。
そんで〇〇の会社の倉庫に運ぶぞ。)
実家に僅かに残っていたものを全部出した。
それから。
(ほんまにええんやんな？)
U(うん。)
取り壊す事にした。だって維持費がかかるし。
このまま売っても大丈夫そうだけど、私達家族の思い出が誰かに受け継がれるのって何か微妙で。
ほんとはプルタオルネしちゃいたいぐらいなんだけどね。
家を取り壊して、土地を完全に手放した。
もうこの場所に帰ってくることはないだろう。
(忘れたかったんか？)
ううん、違う。
U(前に進みたかった。)
毎年柱に書いた身長のメモリから、捲れた壁紙から。
鍵を忘れた時はオリーブの植木鉢の下。突然生えてきたよく分からない花に毎朝水をやったこと。
書くのがややこしい長い住所。
不便な場所にあったお風呂。全員揃うことのない夕食。
大好きだったこと。
薄れるかもしれないけど忘れない。
忘れてたまるか。
そう言うと上野さんは、親父さんとそっくりだと笑ってた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 743人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クルトン(プロフ) - ももさん» ありがとうございます！これからもお付き合いくださいね(^^) (2019年1月17日 19時) (
レス) id: c28f946ff1 (このIDを非表示/違反報告)
もも(プロフ) - とっても面白いです。更新頑張ってください！ (2019年1月14日 15時) (レス) id: b873ccb9fb (このIDを非表示/違反報告)
クルトン(プロフ) - 海月さん» わ〜ありがとうございます！これからもお付き合いくださいね (2019年1月3日 20時) (レス) id: c28f946ff1 (このIDを非表示/違反報告)
海月(プロフ) - 初コメ失礼します！占ツクの作品の中で一番ってぐらいこの小説大好きで伝えたくなりました、突然すいません(>_<)これからも楽しく読ませて頂きます、更新がんばってください(＾∇＾) (2019年1月3日 20時) (レス) id: 317105cb13 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クルトン | 作成日時：2018年11月24日 13時
