訳あり涙を恵んで【JK】 (ページ5)

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毎日毎日狂ったように歌って踊った。

親にばれないよう極力音を出さずに。

絶対落ちたりなんかしない。

弱い所は誰にも見せない。

泣いてる所なんて物心ついた頃からは一回も誰にも見せてない。

一生弱みなんて握られないんだから。

「有難うございました！！！」

確実な自信と共に歌い終わって踊り終わった。

彼が最初に言ったことは

『凄く上手だけど、個性がない。
ただ、上手い人をコピーしてる感じ。』

“個性がない”

この時の私に1番響く言葉だった。

なぜなら私はずっと家族の前では個性を、自我を消していたから。

『でも絶対にAちゃんは練習期間を経て化ける。
お願いだからYGに入ってくれ。』

いい気分で家に帰れるはずがいつも以上に気分が重い。

“個性がない”

その言葉が思ったより深く刺さって、抜けない

そこから私は自分の世界観を尊重して歌って、ラップも始めた。

そして練習生になってから半年くらい経った頃、認められた。

『やっぱり俺はAが化けるって知ってた。
いい個性が出ていて、歌がずば抜けて上手い。良くやった。』

「あ、ありがとうございますっ！！！」

その日は家に帰って泣いた。
ずっと、目が腫れてもう治らないんじゃないかと思う位に。

嬉しかった。

初めて人に認められたから。

今まで必死に頑張って、認められた。

私頑張ったんだよ、お母さん、お父さん、いつ認めてくれるの？

レッスン代はYGが無償で提供してくれてる。

YGなんて大きい会社の練習生になっても認めてくれないんだね。

そうだよね、だって私だもん、弟達の方が大切だもんね。

私は彼らと比べたらゴミだもんね。

学費も何もかも将来私が貴方達に払い戻さないといけないんだもんね。

それから2年後、私は5人グループのリーダーとしてデビューする事になり、デビュー曲が韓国で大ヒットした。

私達の名前を聞く日がないくらいに私たちは成長して行った。

ビルボードの常連になる程のTWICE、blakpinkを超える人気程の人気で。

そしてもうデビューしてから4年も経った今、甘い恋の香りがします。