訳あり涙を恵んで【JK】 (ページ39)

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少しだけ変装をし外へ出た。

jh『じゃ、行こうか。』

そう言われて車の中へ入った。

「ジフンもこんな車買えるようになったなんて、最後にあった時なんて毎日コンビニ弁当みたいな事言ってたのに。」

jh『それだったらAだって。
こんな若いし、女性なのに俺の倍くらい稼いでてこの前もグラミーに出てたじゃん、ほんと人生何があるかわからんもんだね。』

数年分の話があり、会話は一回も途切れる気配もなくして美術館へ着いた。

「綺麗...」

彼とお喋りしながら見る美術品は深い気がして素敵だ。

気づくと2時間近く経っていて、お別れに時間になった。

jh『今日は久しぶりで楽しかった、また今度会える時言ってね、俺の方が暇だと思うから。』

逆方向へ歩いていく彼の背中は大きくて頼もしかった。

家に帰ってきた今でも彼の笑顔が忘れられない。

この感じ高校時代を思い出す。

イナ以外には伝えてなかったけどずっと彼に片想いしてた。

3年生の初め、一回いわゆる告白をされたけどあの時に私には“はい”とは言えなかった。

私は2年間片想いしていた彼を振った。

もうあの時からそう言うことは諦めていたから。

私の2年間の片想い、初恋を自分で壊した。

でも彼は気をつかってくれたのかその後も変わらなく友達で居てくれた。

そして今に至る。

彼の笑顔、見上げてしまう程の背の高さ、がっちりした体格、性格。
全てが全て学生時代と一緒な訳じゃないけど、それでも彼といると落ち着いて、安心する気がする。

彼の事を考えると心がツンと傷む。

一緒。

高校時代と全く一緒の気持ち。

私は彼の事をまた、好きになってしまったかもしれないんだ。