訳あり涙を恵んで【JK】 (ページ21)

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「イナ、私最近いい事がないよ。」

in『えー？例えば？？？』

久しぶりに休みが取れてイナと夜ご飯へ来たからこの場を借りて相談してみた。

「この前はさ、マイク落として音程取れなかったんだよ、この4年間一度もミスを作らなかったのに、本当情けない。
それで落ち込んでたらMCの件が起こってさ。なにこれ。」

in『A、それくらい大丈夫だって、音程取れてたよ。
あんまり気にすると病んじゃう。』

大丈夫。
その言葉がどれだけ重いか。

私はなにも大丈夫じゃないんだよ。

私の頭の色んなところでまだ解決してない事件がある。

イナと夜景を見ながらぼーっとしているとスマホの通知音がなった。

弟達からのメッセージだった。

“ヌナ、今度又お昼ご飯行かない？”

私には2人弟がいる。

弟達は大好きだ。

いつも私の味方で居てくれた大切な存在。

彼らが1番複雑だっただろう。

親に気に入られて、その親が嫌ってる姉の相手もして。

ー1週間後ーー

yn『ヌナー久しぶりー！』

dn『いつもテレビで見てるヌナだ。』

弟のヨヌとダヌを高級焼肉屋へ連れてきた。

親は私が弟達に会って欲しくないらしけど私は彼らは愛してる。

この愛がなんのかも分からないけど。

「で？親はどうしてるの？」

dn『特に変わりわないよ。
縁切ったの後悔してるらしいけど、無視してね。
でも僕はヌナが凄いこと知ってるよ、テレビでよく見るし。』

やっぱり一緒か。

一年前くらいに今まで私を育てるのにかかった費用を計算してその倍額を払って縁を切ったのにも関わらず私が有名になったらいろんな人に言いふらして、更には元に戻りたいとか情けなくないのかな。

yn『ヌナ、ご馳走様ー今度は自分でこれくらい払えるようになってくるね。』

「大丈夫だって、いつでも誘ってよ。」

そして別れた。

ー次の日ーー

pd『今回は年末に向けての大切なカムバだ。
賞を取ってグラミーへ行くにも絶対成功させないといけない。』

グラミーですか、pd。
K-pop界隈で女性グループは一度も行ったことのないグラミーをpdは狙ってるらしいけど正直行ける気がしない。

何がともあれ年末の賞諸々いっぱいあるから、頑張りどころだ。

「うわ！！！」

mj『あ？オンニどうした。』

シャワーを浴びて体重計に乗ってみるとなんとここ数ヶ月で1.5キロも太ったみたい。

あー最悪。

ミュンA、ダイエット始めます。