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それはある日学校の帰りに友達と中心部へ買い物へ行った時だった。
ビルには大きなスクリーン越しに若い女の子達がキラキラしながら踊って、歌ってた。
『A？どうした、TWICEすきなの？』
「へ？」
『あのグループ、TWICE好きなのって』
「あぁ、まぁ」
これが後に私の人生を変えた。
TWICE、彼女達は可愛い。
そして可愛い衣装で可愛い歌に合わせて可愛いダンスをしている。
こんなふうになりたい。
ふと一瞬思った。
何言ってるの、ばか。
そんなの許可される訳ないじゃん。
私はどうせ一生この家の奴 隷なのに。
一生誰からも愛されてはならないのに。
毎日学校から家に帰るとTWICEの曲を聴いては踊って、真似して、おしゃれするのもぐんと楽しくなったけな。
勿論、私はお小遣いなんか与えられる訳もなく私が学生時代、お金を手に入れる方法は１つだけあった。
家の中にある物の中で全く使われていない物を売るの。
父が会社を経営していたらしくて裕福な家庭ではあったから、スマホを買ったり、お洋服を買ったりするお金はバイトもしていたから余裕があったのは不幸中の幸いと言っても良いのかな。
“Aー、何してるの？“
”A！！探した！！”
“Aー、一緒にご飯食べよー”
唯一の私の居場所は学校だった。
皆、私の事を大切にしてくれるし、笑顔にしてくれる。
学校にいると少しだけだけど自分が好きになれた、だって誰も否定なんてしないから。
皆、私が言う事に対して笑ってくれたり、普通に対応してくれたから。
学校にいる笑顔な自分が好き、だった反面家、家族といる自分は大嫌いだった、存在を消してしまいたい程に。
でも良かった。
学校に友達が居るだけで、TWICEが存在してくれるだけで、幸せだった。
イナ、彼女だけは私の弱い所を知ってる、仕事仲間でも有り、第一の親友。
中学からの親友。
私がスカウトされて、今までどれだけ私が苦労してここまで登りつめて来たかを知ってる唯一の存在。
私は幸せ者だよ。
だって偽物の笑顔がつくれるくらい、余裕が出来たから。
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作者名：TT | 作成日時：2021年10月24日 15時
