ウツボ兄に振られたらウツボ弟から告白された件

弟の想い ページ6

最初にAに声を掛けたのはただ陸の女が珍しかったから。それだけの理由。


でも一緒にいるうちに少しずつオレの心に初めての気持ちが芽生えてきたんだ。



オレが近づけばみんな怖がって小魚みたいに逃げていくのに、Aは逃げなかった。むしろAの方から話しかけてくれることもあった。



それどころかオレが機嫌が悪い時はジェイドやアズールですら近寄らないのにAは『どうしたの？』と隣にしゃがみ込み話を聴いてくれた。



Aと一緒だとポカポカした気持ちになってイラつくことも少なくなった。



だからAがジェイドのことを好きなこともすぐ気づいた。だってオレがAを見る目と同じ目をしてジェイドのこと見てるんだもん。



なんでジェイドなんだろう。確かにジェイドは良い奴だけどAの気持ちなんてぜーんぜん気付いてないのに。早くジェイドに振られてオレにすれば良いのに。



そう思って我慢してたけど、Aはずっと友達のふりをしてジェイドに好きだって伝える気配もなかった。



コレじゃあいつまで待ってもオレの番が来ないじゃん！



さすがに１年も我慢したしもう限界だった。
Aが告白しないなら、無理矢理させればいいんだ。



そして作戦は大成功！Aは見事にジェイドに振られて、オレのものになるはずだったのに....まだジェイドのことが諦められないらしい。そんなにすぐには切り替えられないんだってさ。



でもオレだって諦めるつもりはない。
やっとスタート地点に立ったんだもん。



獲物を捕食するのはオレの得意分野だ。
絶対に逃がさねぇ。



自室のベッドに寝転んだフロイドはギュッと拳を握り決意を新たにするのだった。

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