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薄暗闇のお迎え ページ14

『...もう無理...動けない....!』



ラギー「ホントに走ったんスか!?誰も見てないからサボれば良かったのに....。本当、変なとこで真面目なんスから。」



すっかり薄暗くなった競技場に戻って来れば、部活も終わり部員達も数人しか残っていなかった。疲れ切った足を撫でながらその場にへたり込む。



『.....レオナ先輩は?』



ラギー「レオナさんなら眠いからってとっくに寮に戻ったっスよ!」



あいつ!!人を走らせといて!!
っていうか、どうしよう...。この後バイトもあるのに。もう一歩も動けそうにないや....。



『ねぇ、ラギー.....』



ラギー「残念、ダメっスよ!オレ今日はレオナさんから用事言いつけられてるんで。バイトの代わりなら他探すっスね。」



....また...あいつ....。バイドどころかもう寮に戻る力もないや...。



『せめて...寮まで送って...。お願い....!!』



私の言葉にラギーは悪戯っぽく笑った後、視線を私の向こうへと移した。



ラギー「シシシ!それはオレの役目じゃないみたいっスよ。」



首を傾げながらラギーの見つめる方へ目をやれば、見慣れた長身が薄暗闇の中から此方へと歩いて来るのが見えた。



『.....ジェイド!!』



ジェイド「何をしているんですか、貴方は。教室の窓からイワシのようにクルクルと運動場を回る貴方の姿が見えましたよ。たくっ、マジフト部は女性にも容赦ないんですねぇ。」



ジェイドに睨みつけられたラギーは「オレじゃないっスよ!」と慌てる。そんなラギーを気にすることもなく「ほら、来なさい。」とジェイドは私を抱き上げた。



そのままゆっくりとジェイドは歩き出し、揺れる振動とトクトクと心地良い彼の鼓動に疲れた私の身体は眠気に誘われる。



ジェイド「寝ても大丈夫ですよ。シフトの代わりなら契約違反した方が無給でしてくれるそうなので。」



....それ...大丈夫なのかなあ...。そんな事を考えながらも、ゆっくりと瞼は閉じて行く。



ジェイド「いい加減、マジフト部なんて辞めなさい。山を愛する会に歓迎しますよ。一緒にキノコについて語り合いましょう。」




『....それは...嫌....だなあ....。』




ジェイドの腕の中で彼の温かい体温を感じながら私は眠りに落ちた。

Good night!→←鬼部長!



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ゆうな(プロフ) - 三角関係…最初はどうなるのかちっちとも頭に思い付きませんでしたがいいですねぇ〜。 しかもジェイドがイラつき壁を殴ったシーンはちょっとドキッとしてしまいました!!(^-^) (2020年12月15日 19時) (レス) id: 1fc8fa02db (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - きのこさん» ありがとうございます!これからも三角関係でばっちり絡ませます(笑)お返事遅くなりすみません。これからもよろしくお願いします。 (2020年11月22日 0時) (レス) id: 4edba67984 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ - のぐはあああああああっっっ好きだあああああああ....待ってマジでしんどいいいいい....最推しと推しが絡むとかもう......ッッッッ((((( 面白過ぎですねこれからも応援してやす。 (2020年11月14日 19時) (レス) id: 2a559184c7 (このIDを非表示/違反報告)
RRR(プロフ) - 花さん» ありがとうございます! (2020年10月26日 22時) (レス) id: 4edba67984 (このIDを非表示/違反報告)
- RRRさん» こちらこそです!楽しみにしてますね! (2020年10月26日 19時) (レス) id: 411425b92f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:RRR | 作成日時:2020年10月3日 14時

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