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11.秘密 ページ12

『自分でもわかってるんです、ピーターはほんの軽い気持ちで言ってるだけだし、なにも石鹸投げつけるような事じゃないし、』

「自分がどうして怒ってしまうのか、わからないの?」

あなたはふーっと口元のカップに入った紅茶に息を吹きかけて冷まし、1口含む。

『なんだろう…今思うと、って感じなんです、いつも。言われた時は本当に頭に血が上るのに、喧嘩しちゃったあとだと自分が馬鹿だったなぁって思う。』

ブルースも紅茶を飲みながら、「まぁ、君も年頃の女の子だしね…あれ、何歳だっけ」

『16歳…のはずです。』

「若いなぁ。僕はもうおじさんだ」

『そんなことないですよ、まだまだです』

二人同時に紅茶を飲み、ブルースは「落ち着いた?」と声をかける。

『…はい。博士に話して落ち着きました。』

「それは良かった。あと、博士じゃなくてブルースでいい。」

「じゃあ、ブルース。…さん。やっぱり慣れないです、私みたいな子供が…」

えへへ、と笑うあなたはなんだか幼くて、ブルースは改めてS.H.I.E.L.D.やアベンジャーズ計画の残酷さを思い知った。

「…僕の秘密、もう誰かに聞いた?」

『秘密?』

「僕の能力のこと。昨日の自己紹介のとき、伏せたろ?」

『あぁ…そういえばそうでしたね。まだ誰にも聞いてないです。』

ブルースはぬるくなった紅茶を一気に啜り飲み干した。
そしてあなたの方を向き直り、

「教えてあげようか?」

と持ちかける。

『その…言い辛いなら無理して言われなくても構いませんよ?』

「いや、君は優しい子だし、信用できそうだ。無理して言うことはしてない」

そう言うとあなたは少し考える素振りを見せ、そしてブルースの目をまっすぐ見つめ、

『聞かせてください。ブルースさんの能力の秘密。』

とはっきり言った。

「…僕はね、怒るとハルクと呼ばれる巨人になってしまう。まぁ、ある実験に失敗してしまってそうなったんだけど。」

あなたが頷きながらきちんと話を聞いてくれることに安心し、ブルースは続ける。

「過度なストレスに耐えられなくなると、緑色の大きな体に肉体が変化してしまう。それだけじゃない。敵味方の区別もつかなくなって、目に映るすべてを傷付けてしまう。つまり理性を失うんだ。」

『…それが、怖いんですか?』

話を聞いていたあなたが、初めての口を開く。

「…ああ。怖いよ、とても。」

すると、不意にあなたがブルースの手をとった。

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マドレーヌ(プロフ) - とてもおもしろいです!!大変だとは思いますが更新頑張ってください!応援してますp(^_^)q (2021年7月19日 1時) (レス) id: 912a5780dc (このIDを非表示/違反報告)
死神(プロフ) - 楽しみにしてます!更新頑張ってください! (2017年12月24日 7時) (レス) id: 123b92ed70 (このIDを非表示/違反報告)
影王琉那(プロフ) - ナターシャは、ブラック・ウィドーではなくブラック・ウィドウでは? (2016年11月30日 3時) (レス) id: 02f600d9b8 (このIDを非表示/違反報告)
目玉のおかん(プロフ) - リンゴ雨さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます!更新はまばらですが応援よろしくお願いします。 (2016年8月18日 22時) (レス) id: ad0147821b (このIDを非表示/違反報告)
リンゴ雨(プロフ) - うああ!この作品、すごく好きになました!更新、とても楽しみに待ってます!! (2016年8月18日 18時) (レス) id: c5d41596ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:目玉のおかん | 作者ホームページ:ないよー  
作成日時:2016年8月7日 23時

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