君のとなり【江口拓也】 (ページ28)

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28.素敵な人ページ28

。

「江口さ～ん、飲みに来たのにうわの空ですねぇ、どうかしました？」

「えっ！そう？」

松永さんに言われたから、、と来てみたはいいけど、

俺ヤバイ奴じゃない！？

こんなとこまで来てさ！？

、、ストーカーみたい？

なんて自問自答。

肝心の松永さんにも、椎名さんにも顔を合わせにくい

「僕トイレ行ってきまーす」

あれこれ考えていたら宏太朗が席を外した

「、、はぁ、」

気になるから来てみたものの、会ってどうするんだ、？

向こうは向こうで楽しんでるかもしれないのに。。

想像すると少しツラい。

松永さんに挨拶するにしても、なんだかからかわれそうだし。

一歩先へ足が出ない。

「パイセン！、、じゃーん！！」

帰ってきた宏太朗が連れていたのは椎名さんだった

「江口さん、こんばんは。」

「え、あ、、き、奇遇ですねぇ、、」

まさか会うとは思ってもいなかった。

「Aちゃん合コン中なんですって！」

「、、、連れて来て大丈夫なのかよ、？」

「あ、全然気にしないで下さい。むしろ抜け出せてラッキー、、みたいな(笑)」

笑いながら答える椎名さん

「いい人いた？」

と、宏太朗がナイスな質問

「うーん、、後輩の助け舟してたから、あんまり、、」

「そっかー、じゃあひと息ついて行って！」

どうぞどうぞーと宏太朗が椎名さんを座らせる

隣に宏太朗が座り椎名さんと向かい合う

「Aちゃんさ、江口さんとかどう？」

宏太朗が突拍子のない事を言う

「はい！？宏太朗おま！何言ってんの！」

「いやぁ～、傍から見てて相性良いんじゃないかな～と思って。で、どう？」

「あ、、え、えっと、、、」

、、、困ってる

椎名さんめちゃめちゃ困ってるじゃん！

正直なんて答えるのかものすごく気にはなるけど！

宏太朗ナイス質問！とか思っちゃったけど！

良い友達ですとか言われるのかな、

言われたらどうしよう、泣いちゃうかも俺！

「、、素敵な人、だと、、思います。優しいし、仕事熱心だし、、」

、、素敵な人、？

、、、、、どうしよう

嬉しくて泣いちゃうかも。

素敵な人、、、素敵な人、、、

頭を駆け巡る言葉

「、、でも、江口さんは彼女さんがいますからね、、！」

突き放される。

あぁ、そうだ。

ミサキと別れようとしているのを彼女は知らないんだ。

タイミングいいし、、、今、言おうかな、、

少し俯く

。