君のとなり【江口拓也】 (ページ26)

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26.ため息ページ26

。

「はぁ、、、。」

松永主催の合コン(？)とやらまであと数日に迫って来た

マンションまでの道のりをとぼとぼと歩く

「いい人居たらいいけどなぁ、、」

江口さんのことも、吹っ切れないと。

いい機会になるかも。

エントランス前に着くと

んげ、、、、江口さんだ、、

後ろ姿でも分かる

見るとエレベーターを待っている様子

、、、どうしよう、、

正直、顔合わしたくない。。

、、でも、

少し俯いて決める

顔が見たい。

声が聞きたい。

おずおずと足を踏み出す

近付く気配に気付いたのか、江口さんが振り向く

「、、こんばんは」

「椎名さん！久しぶりですね！」

屈託のない笑顔

と、そこへエレベーターが到着した

あ、、と声をもらす

「もう来ちゃいましたね、エレベーター」

少し残念。

「あの、、少し話していきませんか、？」

エレベーターを見送って、江口さんが言う

「、、はいっ！」

純粋に嬉しかった

ーー

「、、やっぱり、落ち着くなぁ、」

他愛もない会話

俺がずっと望んでいた事が実現していた数分前

自室へ戻り、浸る

「楽しかった～、、へへ、」

無意識に出る言葉

いや、、楽しかっただけじゃない。

ひとつ不安な事があった。

『え、、合コン、てことですか、？』

『そう、なんですかね、？詳しく聞いてないんで、よく分かってないんですけど、、』

『へー、、楽しみ、ですか？』

『まぁ、いい人見つかればいいなー、なんて思うくらいですけど。。』

そう。合コンへ行くらしいこと。

楽しんで下さいね、なんて心にも無いこと言っちゃったし、、

俺は馬鹿か。

、、、気になるなー、、、。

ーー

江口さんに言っちゃった。

気にして欲しい訳じゃないけど、どう思ったかな、、

って、どーも思わないかっ、、(笑)

そもそも自分に言い聞かすように言っただけだしね。

言ったところで、なにが変わる訳でもないし。

こんなこと考えるより、さっきまでの楽しい時間を思い出し、浸る。

やっぱり、まだ好きだなぁ、、江口さんのこと。

ツラい。

『楽しんで下さいね』

江口さんの声で再生される言葉

脈ナシだなぁー、、、

片想いって、ツラいねぇ。

誰に聞かせるでもなく呟く

。