君のとなり【江口拓也】 (ページ21)

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21. やっぱりページ21

。

今日から本格的に始動する松永の企画

特別に、と現場を見せて貰える事になった

おぉー！こんな感じなんだ～

「お前口半開きだぞ(笑)」

っん。ぐっと閉じる

ーー

「凄い、、カッケーっすね！」

「言葉遣い。」

と松永が門脇くんを小突く

「すいませんっ」

ほんと、凄い、

声ひとつでこんなにも違うく聞こえるの、

どうなってるの声帯。

音声の確認中

「ここの感じをもう少し、、」

「あと、、」

と松永と門脇くんと話し合う

意見をスタッフの人に松永が伝えに行った

ふぅ、、、ん、、

ガラス越しにふと合う目と目

ニコッとされた

、、、っ

人懐っこくて、、ずるいなぁ、

「もう一回行こうか」

と声が掛かりマイクに向き直す江口さん

OKです！

と声が掛かる

真剣な表情だったのが笑顔に変わり、周りのスタッフさん達と仲良さそうに戯れる

、、、やっぱり素敵な人だ

真面目な所とか、優しい所とか、知り合って間もないのにこんな気持ちにさせる

好き、なんだろうな、

この短期間ですっかり変わってしまった心

ーー

「椎名さん！また会いましたね」

マンションのエントランス
後ろから声をかけられた

「江口さん、今日はお疲れ様でした！」

「お疲れ様でした(笑) 今日は早いんですね」

「はい！それでも0時ですけどね(笑)」

エレベーターが着くまでの少しの時間、
他愛もない話をしていた時

エレベーターが開いた

「あ！たくやぁ～！」

ぎゅーっと音が付きそうな位に江口さんに抱き着く女性

「ミサキっ、」

苦しそうに呟き、チラと私を見る

「遅かったね～？今コンビニ行くとこだから一緒行こ～」

一向にエレベーターに乗らない私に気付く

「何ですか～？」

と怪訝そうな顔

「もしかして知り合い？やだぁ早く言ってよ！」

と軽く身なりを整え

「拓也の彼女のミサキです！どうぞよろしく」

と手を出す

あ、どうも、

とこちらも手を出そうとすると

「いいからっ」

江口さんが少しばかり大きな声を出す

「すいません椎名さん、今日はこの辺で、、」

とミサキと呼ばれた彼女を連れて行ってしまった

ーー

そりゃいるよね、彼女くらい

お風呂に浸かりながら考える

自覚したとたんこれだもんね、

あーー、はは、そういう事もあるある。

ベッドへ倒れる

携帯には江口さんから連絡があった

無理。返信する気力無い。

気付かなかった事にして明日返信しよう。

やっぱり1人が良い。

こんな気持ちしなくていいし。

明日の朝、目が腫れませんように。

。