君のとなり【江口拓也】 (ページ3)

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3. 初めましてページ3

。

「ミサキ、ゴミ出しといて？」

「ごめん！今日早出なの忘れてて遅れそうなの！拓也お願い！」

朝食も食べずに言ってしまった

俺もそろそろ行かないと、、

ゴミ袋を持ち部屋を出る

ーー

「高木さん、おはようございます」

ゴミ置き場から会話が聞こえる

よく響く、凛とした声

「あら～椎名ちゃんおはよう」

「お父さんお元気ですか？最近姿見ないから」

「入院してるのよ～ぎっくり腰で(笑)見栄張って重いものは俺が持つから！とか言っちゃってね～」

「優しさゆえですね(笑)」

、、、入りづらいな

ゴミ置き場の入口、横っちょで立ち尽くす

「それじゃあよろしくお願いね、気を付けて行ってらっしゃい」

ガラッと扉が開く

「あら、おはようございます」

「あ、おはようございます」

挨拶されたので一応返す

人の良さそうなお婆さんだった

広い置き場はゴミの異臭を感じさせないよう冷房が効いていた

そこに女性がひとり

挨拶した方がいいかな、

「おはようございます」

「え？あ、おはようございます」

少し驚きつつも返してくれた

ゴミ置き場にはそぐわない格好

これから仕事なのかな

ミサキよりかは少し年上か？

て、そんな事考えるのは失礼だな

生ゴミゾーンの扉の前、ゴミ袋が分かるだけで5つは置かれていた

この人、生ゴミそんなに溜め込んでたのかな

それを大きな備え付けのゴミ袋へと2つに分けて入れ口を閉め

「、、よいっしょっ、」

重そうに両手で運んでいる

ヒールでヨタヨタ

危なっかしい

「手伝いますよ」

「あ、すいません、ありがとうございます」

「これ、全部部屋から運んできたんですか？重かったでしょ。大家族かなんか？」

「あぁ、いえ！私が持ってきたのはひとつだけで、あとのはこの扉の前に置かれてたやつです」

「え！扉の前にですか？」

「はい、置いておけばいいかーって思う人がいるみたいで。高木さん、、さっきいた人なんですけど、入れようとしてたのを代わってあげて、、元々足が悪い方なので、このゴミ置き場に来ること自体大変なんです」

はー、、まだ若いのにしっかりしてんねー。。

感心してしまった

ーー

「ありがとうございます！助かりました！あ、私こういうものです」

名刺を差し出す彼女

「椎名Aさん、あ、すいません俺も」

「江口拓也さん、、へぇ、声のお仕事されてるんですね」

「えぇまぁ」

「あ、すいません長々と時間取らせてしまって、、今日はこの辺で、ありがとうございました！」

風のように去っていく

、、、俺も行くか

。