君のとなり【江口拓也】 (ページ18)

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18.新しい仕事ページ18

。

「新しい仕事決まったよ～」

マネージャーが嬉しそうに言う

「うおおおお！忙しすぎるううう！！」

忙しい。
忙しすぎる。
今日も栄養ドリンク飲んで頑張るかぁ

「事務所の稼ぎ頭と言っても過言では無いね。ありがとうございます」

「、、そんなことより休みが欲しい。。」

椎名さんとの予定が全然立てられない。
宏太朗達とも飲みの時間もほぼ無いし。

「そんなこと言わずに。好評だったらシリーズ化するって言われてるからさ～是非繋げたい所！」

手を合わせるマネージャー

「、、、せめて早めに上がらせて。。」

「うーん、そんなに疲れてる？、、休みどうにか工面しようか？」

「是非そうして欲しいですね！！」

「じゃあ他の人に回そうかなこの仕事。でもなぁ～、先方が是非江口にって言っててさぁ、、」

「え？向こうの要望？何の仕事ですか？」

「コマーシャル。声出演の。」

「へ～。」

資料をパラパラ

ん、この名前、、

『松永潤』

松永、、松永、、、てあぁ！
椎名さんの同僚で、翔ちゃんのお父さんだ！

まて、、椎名さんの同僚、、？

「でも演者が一番大切だからなぁ～、、やっぱり断るかぁ、、」

「待って！やる！やりますこの仕事！」

「えぇっ、どうしたの急に。」

動機が不純すぎるけどやりたい

いやさ、友達と一緒に仕事したいじゃん？
そゆことそゆこと。

「まぁ本人がいいなら、やる方向で話進めようか」

「お願いします！」

そうだよ、椎名さんとするんじゃなくて、松永さんとだから！
それならミサキに怒られないよね、
あわよくば椎名さんに会えるかもとか思ってないからね！

自分で自分に言い聞かせる

元気かな、椎名さん

連絡すればいいのでは、と思うけど
こんな内容の無い会話していいのかな、
元気かどうか聞きたかっただけですーなんて
変でしょ？あからさますぎでしょ？

気持ちが隠しきれなくなりそうだ

いや、でも、俺にはミサキがいる。

この言葉で気持ちをストップさせる

ーー

「ただいま～」

真夜中に帰ってきた

部屋は真っ暗でミサキももう寝ている

「ミサキ～」

ベットへ潜り込み、ミサキへすり寄る

「んー、暑い、」

と言いつつもハグしてくれる

眠いときほどは素直だ。

真っ暗な部屋、ミサキを抱き寄せ目を瞑り、眠りにつく

卑しい男だな俺は

動きつつある心を鎮めるために彼女であるミサキをいいように使う

規則正しい寝息

「好きだよ」と呟く

胸がキュッとした

。