検索窓
今日:5 hit、昨日:2 hit、合計:27,362 hit

story 10 ページ10

今まで通り、

会えなくなるから、

気付かないで欲しい。

ーーー



「今日は早めに切り上げるよ!」





と、自分都合の佐藤さんと、麻衣さんと3人で東京ドームへと向かった。

ドームに着くや否や周辺にはうちわやペンライトを片手に、

たくさんの女性が溢れ返っていた。

その中でテヒョンのうちわを持つ女性を見ては、

彼を想う人は私だけじゃない事に気付く。

そして、佐藤さんが嬉しそうに言ってた席に座ると、

真上に長い花道らしきステージがあり、もしこの位置でテヒョンが立って、

正面に目をやれば完全に目が合う距離になる。





「あ、そうだ、はい!あんた達の分買っておいたから!」






と言って麻衣さんと私の間に座る佐藤さんから差し出された2人分のペンライト。

そして佐藤さんは大きな紙袋から派手なデコレーションを付けたうちわを取り出した。

それに目を向けると" 태현 코치를 봐 (テヒョンこっちを見て) " と言うハングル文字と、

テヒョンの顔の切り取り紙が貼り付けてあった。

それを見てた私に麻衣さんは(ノ∀`)アチャーと言った顔を見せた。

そうこうしてるうちに照明が暗くなりメインステージに7人が姿を現した。

と一気に黄色い声援があちらこちらと飛び交う。

何曲か歌った後MCが入り7人が一人ずつサブステージに歩いて来る。

その途中でテヒョンに向けて「テヒョン!」と叫ぶ女性。

それに応える様に、その女性に手を振るテヒョン。

会場内の大スクリーンに映し出すテヒョンの姿。

あの頃から何も変わってない。

女性に白い歯を見せて笑うテヒョン。



何か、不思議。

テヒョンと毎日会ってた頃が、今は嘘みたい。

そして、花道に来る彼に思わず身を隠してしまった。

会いたくない訳じゃない、

でも、会いたい訳でもない。

矛盾過ぎる気持ちが、葛藤する気持ちが渦の様にぐるぐると回る。

そんな中、





《テヒョン愛してるー!》






と、一際大きな声を出す女性に、





「僕も愛してます!」






と答えたテヒョンの声。

私にじゃないのに、一瞬ドキッとしてしまった。

久しぶりに聞いた懐かしい声。







「Aー!」








3年前、何度もテヒョンから呼ばれた私の名前。

遠い過去を蘇えさせる声。

悲しいぐらいあなたの仕草も、声も小さな出来事まで思い出してしまった。

抱きしめられた時の逞しい胸や、力強い手。

耳元で囁かれた甘い声。

そして、この身体も…








私はここにいるよ、テヒョン!


なんて、ね、



嘘だよ。

story 11→←story 9



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (24 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
81人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , テヒョン   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ruki(プロフ) - さこさん» さこ様(*^^*)コメントありがとうございます!初めまして。お互い同じですね(*´艸`)曲もダンスも人柄も良くて一気に引き込まれたした^^更新頑張ります(ง •̀_•́)งまた暇つぶしに読んでやって下さいm(_ _)m (2022年12月9日 20時) (レス) id: 2ac3d6b9ca (このIDを非表示/違反報告)
さこ(プロフ) - 初めまして。私も最近BTSにハマった遅い新参者です。かっこいい曲が多いですよねぇ(^^) 更新楽しみにしています(^^) (2022年12月9日 20時) (レス) @page30 id: 8c0425346a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ruki | 作成日時:2022年11月20日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。