Love again 【TH】BTS

story 7 ページ7

眠り姫さん。

あなたは今も、
幸せですか？

ーーー


私は3年前からまた眠り続けたの。

あの日、王子様のキスで目覚めたあの時の夢物語にはもう戻れない。

童話の中では王子が城にかかっていた100年の呪いを解かし、

眠っている王女を見付け、キスをして目覚めさせたらしい。

なら、教えて下さい。

私はいつまで眠り続けていれば、目覚められるの？


なんて、


童話の中は童話のままで、

いつまでもおとぎ話を夢見てる少女のままじゃいられないね？

5年前、湿気を含む6月、テヒョンから突然告られた。






「僕、メンバー達とアメリカに行く事にした。

だから、今以上に会う日が減るかもしれないけど、

絶対にAに会いに行くからその日まで待ってて欲しい。｣






と、これからの未来(さき)に目を光らせて、

期待と不安の中で自分達の存在意義を確かめるかの様に私に語ってくれた。

懸命に頑張ってきたテヒョンが好きな音楽やダンス。

その両方を仕事とし、夢を叶えた彼。

嬉しかった。それは嘘じゃない。

会えない日が続いても私達なら大丈夫って思ってた。

だから素直に言えた。






『良かったね、テヒョン！おめでとう！

会えなくても私なら平気だよ！頑張ってね！』


「例え会えない日が続いても、

Aの事ずっと想ってるから、これ以上ないくらい。

だから、僕を応援してて？｣






そして現にその夢をアメリカで掴んだテヒョン。

ビルボード・ミュージック・アワードではトップ・ソーシャル・アーティストを受賞し、

韓国出身のグループとして初めて授賞式にも参加し、

その後、4年連続で同賞を受賞し、ビルボードチャートでも1位獲得と、

今じゃ、世界中から愛されるボーイズグループへと登りつめた。

「会いに行くから」と言っていた約束を果たすかの様に、

多忙のスケジュールの中、何度も会い来てくれた。

「眠る時間があまりない」って言っていたから、

『体に悪いから無理してまで来なくていいよ』って言ってたのに、

「会いたいから」と言うテヒョンの言葉で一喜一憂していたっけ？

アメリカから13時間、そして、私と会う時間は1時間。

そんな長時間をかけてまで会いに来てくれた事が嬉しかった。

現在(いま)しか見てなかった私と、

遠くの未来(さき)を見てたテヒョン。

多忙を極めるテヒョンといつしかすれ違い、別れる事となった。








ねぇ？童話に出てくるヒロインの王女様達。


あなた達みたいに、


私の恋は、


素敵なハッピーエンドじゃなかったみたい。

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