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08話 ページ8





柄にもなく感傷に浸ってしまった。

そんな私に気づいているのか、いないのか、五条は普段の調子で声をかけてくる。



「とにかくあの少年は厄介だ。
Aは監視を頼むよ。」

「嫌なんだけど。」

「じゃあねー!!」



私のことを何故か怪しんでいた少年の監視なんて、居心地が良いわけない。


こんな任務を押し付けてくる、上層部なんて全部クソだ。



「そうだ、A。」

「何?」

「僕はいつでも高専に歓迎するよ。」



言い忘れていたのを装う物言い。

そこに五条の優しさが含まれているのを私は知っている。



「戻らないよ、あの場所には。

それに私にとって高専は、青春の記憶として留めておきたいんだ。


だから、五条も生徒から青春を取り上げるなんてしないようにね。」

「そうか。」



そのまま五条と別れて、自宅へ戻る。


道中、自分のプライベート用スマートフォンの写真を見ていた。

4人で並んで笑っている写真。


警察学校を卒業して、スクレ(警察庁警備局呪術対策企画課)に所属するときに、全ての痕跡を消した。

潜入捜査になることだって予測できたし、私の情報が開示されないように努めた。


それでも、唯一消せなかった過去。

高専で4人で馬鹿してたあの日々だけは消したくなかった。

思い出なんて、残していても危険なだけなのにさ。



「まあ最強の五条は簡単に死なないだろうし、硝子も高専内にいれば安全だし、大丈夫だろうけどね。」



少しいい加減な判断だけど、被害が2人に及ぶことはないだろうから許して欲しい。








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銀華(プロフ) - ryeさん» 教えていただきありがとうございます🙇‍♂️入力ミスです。訂正させていただきます。 (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。警察学校時代のお話は番外編か、本編の後々に書けたら良いなと思っております。少しお時間頂戴してしまうかもしれませんが、楽しみにして頂けたら幸いです☺️ (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
rye(プロフ) - 9話の降谷さんの所属、警察庁が警視庁になってます。 (2022年7月5日 10時) (レス) @page9 id: 6f680e21b1 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - めっちゃ面白い!この小説の面白さを伝えるためにコメント欄に登場しました!警察学校組との絡みができてきたので、警察学校時代の物語も知りたいです! (2022年7月2日 9時) (レス) @page37 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 悠華さん» コメントありがとうございます。警察学校組とはあと2、3話くらいで少し絡みをもたせることができるかな~と考えております!もう少しお待ちいただけると幸いです🙇‍♂️ (2022年6月23日 15時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:銀華 | 作成日時:2021年12月24日 0時

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