27話 ページ27
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虎杖くんの生存は隠されているため、学生たちに遭遇しないよう高専の裏口に車をつける。
コソコソと侵入するのは、何だか悪いことをしているみたいだ。
「じゃあ、またね。
次、虎杖くんに会うときは伏黒くんや釘崎さんと笑っている姿であることを願うよ。」
「うん。
でも、Aさん俺の教育係でしょ?」
「…あはは。バックれようとしてるの気づいた?」
「気づくよ。
今日はありがとう。Aさん!」
とびっきりの笑顔の虎杖くんと別れ、私は硝子のいる医務室へ向かう。
「久しぶり、硝子。
ちょっくら、この怪我治してくれる?」
「……。Aが怪我?上層部の___ 」
「非呪術師を庇った怪我だから、名誉の勲章。
そもそも私、特級になってから硝子の世話になってないでしょ!」
ここ最近、頻繁に高専を訪れていたけれど硝子には会えてなかったから会話が弾む。
硝子とは同期ということもあり、飲み仲間だ。
ただ、万年人手不足の呪術界で特級の私と反転術式の使い手の硝子が忙しくないはずない。
「Aは忙しいの?」
「それなりにかなぁ…。
私も高専に赴いて、硝子の手伝いをしてあげたいけど
「こっちは気にしなくていいよ。
Aが反転術式を謄写してくれただけでも有難い。」
私は自分の
"ひゃーっとやって、ひょいっだよ"と天才肌の硝子の説明は全く理解できなかったけど、術式のおかげで意図も簡単に身に付けられた。
それを五条と夏油にズルいと言われたのも今では懐かしく感じる。
「でも、硝子疲れて見えるよ。倒れないように休んでよね。」
「努力は…する。」
落ち着く。
楽しくて、何でもできる気がして、本当に青春の日々だった高専時代が戻ってきたようだ。
硝子と2人で、五条と夏油のいがみ合いを面倒だと言って逃げ出しことだって、任務帰りに4人でコンビニのアイスに舌鼓をうったことだって。
もう二度と戻ることの出来ないあの頃に、私は戻りたいと強く思ってしまう。
「やっほー!A、探したよ。
硝子のところにいるってことは怪我したの?
珍しいね。」
「名誉の勲章を負ったのよ。
…そうだ。
硝子と五条に伝えたいことがあるんだけど。」
事件現場でみたあの残穢について、2人には伝えておかなければならない。
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銀華(プロフ) - ryeさん» 教えていただきありがとうございます🙇♂️入力ミスです。訂正させていただきます。 (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。警察学校時代のお話は番外編か、本編の後々に書けたら良いなと思っております。少しお時間頂戴してしまうかもしれませんが、楽しみにして頂けたら幸いです☺️ (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
rye(プロフ) - 9話の降谷さんの所属、警察庁が警視庁になってます。 (2022年7月5日 10時) (レス) @page9 id: 6f680e21b1 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - めっちゃ面白い!この小説の面白さを伝えるためにコメント欄に登場しました!警察学校組との絡みができてきたので、警察学校時代の物語も知りたいです! (2022年7月2日 9時) (レス) @page37 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 悠華さん» コメントありがとうございます。警察学校組とはあと2、3話くらいで少し絡みをもたせることができるかな~と考えております!もう少しお待ちいただけると幸いです🙇♂️ (2022年6月23日 15時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀華 | 作成日時:2021年12月24日 0時