03話 ページ3
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散々だった。
「お姉さんは何してる人?
この辺に住んでるの?名前は?
僕、お姉さんと仲良くなりたいなぁ、だめ?」
「…あははは…………。
少年、知らない人に話しかけるものではないよ。」
「僕、江戸川コナン!
これでもう知らない人じゃないでしょう?お姉さん。」
「はぁ…。
Aよ。これでいいでしょ。さようなら。」
元々、子どもは得意でない。
その中でもこの少年は最上級に不得意な部類に入る。
投げかけられる質問に愛想笑いで交わして、喫茶店内にいる低級呪霊を一瞬で祓い、店を出ることを決意。
可愛らしい女性の店員さんにお会計を頼み、ドアを開けたら、再び少年が声を上げてやってくる。
「あー!お姉さん、ゴミついてるよ!」
「そう、ありがとう。」
そう言って袖口に何かを付けられたのはわかった。
こんな小さな少年が何を探るっていうのだ。
これでも私は、出来る女なのだからこんなものを付けられたとしても無駄だ。
『適当に外すか。
…米花町、怖すぎ。』
あの少年に二度と会わないため、この喫茶店にはもう訪れない。
最後に名前くらいは確認しようと振り返ったとき息が詰まった。
嫌な感じ、呪霊の出現だ。しかも、そこそこ強い。
"ポアロ"と書かれた看板を視界に入れたら、携帯が鳴った。
私の予感は的中したようだ。
伊地知から、呪霊に喰われた遺体が発見されたから残穢を確認して呪霊を祓えだそう。
ついでに五条も来るように呼び出しておいた。
先程、ポアロで出会ったあの少年について見解を聞かせてもらうために。
「Aさん、電波が悪いですけど地下にいます?」
「いや、地上だけど……あ。
伊地知、悪いけど電話切る。とりあえず向かうからまた後で。」
素早く電話切り、付けっぱなしだった袖口のシール状の何かを剥がす。
「こんなもので盗聴なんて時代は進んでるねー。」
バキッと音を立てて握り潰したそれは確かに盗聴器だった。
聞かれてまずい会話はしてないだろうけど、あの少年が只者ではないことだけは確かみたいだ。
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銀華(プロフ) - ryeさん» 教えていただきありがとうございます🙇♂️入力ミスです。訂正させていただきます。 (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます。警察学校時代のお話は番外編か、本編の後々に書けたら良いなと思っております。少しお時間頂戴してしまうかもしれませんが、楽しみにして頂けたら幸いです☺️ (2022年7月5日 13時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
rye(プロフ) - 9話の降谷さんの所属、警察庁が警視庁になってます。 (2022年7月5日 10時) (レス) @page9 id: 6f680e21b1 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - めっちゃ面白い!この小説の面白さを伝えるためにコメント欄に登場しました!警察学校組との絡みができてきたので、警察学校時代の物語も知りたいです! (2022年7月2日 9時) (レス) @page37 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
銀華(プロフ) - 悠華さん» コメントありがとうございます。警察学校組とはあと2、3話くらいで少し絡みをもたせることができるかな~と考えております!もう少しお待ちいただけると幸いです🙇♂️ (2022年6月23日 15時) (レス) id: 8ce225486e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:銀華 | 作成日時:2021年12月24日 0時