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「あれ？髪切ったの？」
'いいねー'と親指を立てて出して見せる上司が言うように私はどうにか時間を割いて美容室に行った。
伸びっぱなしで不揃いだった毛先は素人でもまとまるように切り整えられたし、髪色も黒と中途半端な茶色のコントラストから艶のあるオレンジブラウンになった。
褒められて勿論悪い気はしないが、今回は私が'ちょっと'と上司を呼び出す。
今日はパンを食べ終わった後で、だ。
「なんで相手が芸能人だって教えてくれなかったんですか？！」
「いや、聞かれなかったし、言ったら行かなかったでしょ？」
私が誘い出した側なのを除き、前回同様ミーティング室。
意気込んで呼び出したはずが飄々と躱す上司の言葉に'確かに'と思う節があって言葉を飲み込んでしまう。
落ち度はないはずなんだけど…と、大きな窓の外に目を向けたままの私に上司の小さな咳払いが聞こえた。
そして'でもさぁ'と付け足して
「かっこよかったでしょ？彼」
また親指を立ててにこっと笑う。
名前を出さないのはわざとなのか。
そりゃあ、そうだ。
同僚の中にもイケメンだと若い女子社員から人気の男性社員が何人かいるらしいけれど、それと比べても、いや、比べる事自体おかしいくらい。
というより−−−
「…かっこいい、というより、可愛い…」
一切躊躇なく私に向けるジョングクの丸く大きな目はそんな印象が強くて殆どこぼれ落ちる様にそう呟いたのに自分でも気付かなかった。
上司のククッという何かを堪えたような笑いが聞こえて窓の外に浮かび上がったぼんやりとしたジョングクの顔が消えて、なんですか？という顔で上司に顔を向ける。
「これは、何かあるかもしれないね」
何か？
「ないです」
人の恋路を茶化す様な上司にキッパリと言い放ち、仕事に戻るべくミーティング室を出る。
確かに彼氏はいない。
どれくらいいないかはもう忘れた。
別に今焦ってどうこうする気もない。
だからと言ってジョングクと何かあるって？
そんなの天変地異が起きても起きなくても、ない。
徐にデスクの上に放置された携帯を見ると、画面にメッセージが一件。
『ヌナ、今週末授業できますか？』
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
