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特別ファンという事ではない。
コンサートに行ったりグッズを買ったりした事はない。
けど有名だから。
知らない方がおかしいくらい。
隣のデスクの同僚の声とか配達のバイクの音とか公園で遊び回る子供の声とか
そんな当たり前の音と同じ様に彼らの曲は日常に溶け込んでいる。
特別知ろうとしなくても知ってしまう、と表現するべきか。
勿論良い意味で、だ。
だから当然顔も知ってるし名前だってそりゃあ。
「あの」
私のコーヒーをさっきの店員が持って来た後。
店内が布のあちら側に行くと同時にジョングクが先に口を開いた。
「凄いですね、韓国語の発音が綺麗で、日本人って言わなきゃ分かんないくらい」
何処かのポスターで見た事がある丸い大きな目をキラキラさせてそう、私を褒める。
素直にありがとうとか言うのが普通なんだろうと分かりつつも、まだ状況が信じられずで'どうも'と手元のコーヒーに言うのが精一杯だ。
そこで突然ハッとなる。
何故ここに来たかって。
課外授業をする目的で来たのに。
タクシーに乗る前案ずるが何たらって言い聞かせたくせに、これじゃあボーナス二倍もお流れになってもおかしくない。
私には日本語を教える責務が−−−−
「、あの」
会話を陳腐な返事で終わらせた私にしてはだいぶ大きな声を出した。
「実は私先生の経験なんかなくて、」
相手が相手だけに黙っていてはいけない気がした。
目線はまだコーヒーに向けたままでも、視界の端でジョングクが聞いていると分かる。
「でも、それでも良ければ少しでも力になれるよう、頑張ろうとは思ってるんですけど、…」
コーヒーから目線を上げてみる。
ジョングクと真っ直ぐ目が合う。
「じゃあ、よろしくお願いします。」
私の返事を待たずに爽やかな笑顔のジョングクが軽く頭を下げるから、私も慌てて'こちらこそ'と返し頭を下げる。
やっぱり美容室に行ってからが良かったとバサリと目の前に落ちた整ってない毛先を見て思った。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
