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「、、それ、どういう…」


欠伸の時に出る涙くらい、ごく自然な事のように口から溢れ落ちた小さなそれはジョングクの耳にも届いた様で'えっ'と声を上げて私の手を放した。

そして気まずそうな表情に変わったジョングクがまた窓の外に目を向けるから、私もまた横顔を見上げる事となる。
その耳が、紅くなっている。

私もそれに釣られてまた耳が熱くなる気がして、ジョングクの横顔から目を逸らした。


「、いやだから、とにかくジミニヒョンはダメってことだよ、危ないんだから」


両耳に自分の手を当てていてもジョングクのその言葉はしっかりと聞こえた。
もうやめてと思った。
折角耳の熱を逃がそうとしているのに。

だからつまり、そう。
繋がった。

ジョングクが女性関係の心配はいらないと言っていた事、たった今ジミンの事はダメだと言った事。
僕のものだと言った事。
そしてジョングクの紅くなった耳。


「、安心して、ほんとに何とも思ってないから」


両耳から手を離すと自分の声がクリアに聞こえる。
'悪い意味じゃなくてね'と誤解を招かない様な言葉で釘を打つとジョングクが再度私の方を向く。


「あと、私が言うことじゃないけど…、ジミンさん素敵だから、やっぱ心配になっちゃうよね、、」


ジョングクとジミンは、そういう関係なんだ、と。

とんでもない事を知ってしまった。
当然門外不出案件。
私はただの課外授業を請け負ってる者な訳で、偶然知り得たこの事実絶対に墓まで持って行かなければならない。

ジョングクを守らなければならない。


「ヌナ」


胸の辺りを抑えて呼吸を整える私に酷く渋い顔をしたジョングクがそれは深い溜息を吐いて


「信じられない、ヌナ、あ…本当…あり得ない」


何度も'あり得ない'とぶつぶつ言いながら私を置いてキッチンの方に戻って行った。
じゃあさっきの"僕のだから"は何だったのか。

まだまだ外の雨は止む気配がない。

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設定タグ:防弾少年団 , ジョングク , bts   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(;ω;) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です(т-т) (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年2月7日 22時

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