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「何の音？」
ジョングクがタブレットにメモをしてる最中にそれまで聞こえて来なかった音がして思わず耳をそば立てる。
「雨、降ってる」
だいぶ離れた所にある、まるでショーウィンドウの様な窓に打ち付ける雨音だった。
さっきまで降ってなかったはずなのに。
独り言の様に自己完結した私の前でジョングクは椅子に座ったまま長い腕を上げて気持ち良さそうに伸びをする。
そして、窓の外に目を向けて
「あめ、やまないね」
日本語でそう言った。
小さな違和感。
「ジョングギってもしかして雨好きなの？」
その違和感を彫刻の様な横顔に口にすると、やっぱり。
雨の事を話す時のジョングクは嫌煙の表情ではなく何故か少し嬉しそうなのだ。
綺麗に磨き上げられたダイニングテーブルに頬杖をついたジョングクが私の問いに'うん'とまた少し微笑む。
「前は好きじゃなかったけど、今は好き、になった」
頬杖をついたのが右手で袖がずるりと重力に負けて落ちてタトゥーがまた少し顔を出す。
私だってシトシトくらいの雨なら嫌いとは思わない。
でも今窓の向こう側でザアザアと音を立てて降っている雨量の雨は好きとは言えない。
濡れるし髪は広がるし、洗濯物も乾かない。
大きな窓を容赦なく流れ落ちる雨水を眺めてる私にジョングクが'あのさ'と頬杖をやめる。
「雨が止まないってどういう事か分かる？」
そして少しだけ私の方に身を乗り出すと首をやや右に傾けて言った。
どういう事？とは。
ジョングクの質問の仕方が変。
若しくは私の韓国語の解釈の問題か。
ジョングクと同じ方向に私の首もゆっくり傾く。
ウェーブの前髪の隙間からジョングクの目が私をただ真っ直ぐ捉えたまま。
その瞬間に碧斗の言葉が頭の中で再生された。
"あれ、課外授業相手にする目じゃないだろ"
心臓が少しずつ速度を増す。
ジョングクは何もしていない。
ただ私を見てるだけ。
ただ私をーーー
「雨が止まないと、身動きとれなくなるんだよ」
違う。
雨じゃなくてジョングクの目がそうさせる。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
