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私のすぐ背後にはたったさっきまで壁だと思ってた布があって、私の目の前には店内と同じテーブルと椅子がある。
それから多分、私の課外授業の相手。
まだ、多分。
「、どうぞ？」
この空間に入った直後立ち尽くしたままの私に、’多分'の相手が口を開く。
自身の向かい側の椅子に'どうぞ'という風に促している。
でも整理しきれない頭ではそれに応える事ができなくて
「…、ちょっとごめんなさい」
何故か口からついて出たのは謝罪。
でもこれで断りを入れた事になって、私は一度背を向けて眼前数十センチの布に向き直る。
どうすればいいか、何故こんな事になったのか、あの人物は、この状況は現実なのか、頭の中で色んな事が高速で駆け巡る。
男か女かなんて騒ぎじゃなかった。
正確に誰が来るのか、それを確認しなかったのは私の落ち度ではある、が。
そうだ、私が悪いんだってすんなり納得できる状況でもない。
こうなった以上。
いや、そもそも私がボーナス二倍なんていう数字に踊らされなければこんな事にはなってない。
今頃美容室に行ってこの数ヶ月伸びっぱなしの髪を少しでも整えてからせめてここに来たかったのに、なんてお門違いな事まで浮かんで。
「あの、」
布相手に頭の中で高速回転していたあれこれはすぐ背後で聞こえた声に一気にすっぽ抜ける。
そして勢いよく向き直る私の頭一個分斜め上。
まるで仔犬が飼い主の機嫌を窺うような表情の彼がさっきよりもずっと近いそこにいて。
「とりあえず、座って、落ち着きません？」
この状況で落ち着ける相手は、多分、いや、いない。
でもそんな事言える訳がないし、こんな時にそんな事が口を突いて出る様な人間でもない。
でもそこで初めて彼の目をまともに見た。
「…ジョングク、さん、あの…初めまして」
本人相手にこの名前を口にするとは。
全く噛み合わない会話だが、そんな事はどうでもいい。
それはジョングクも同じだったようで少し表情を綻ばせた後'初めまして'と頭を下げた。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
