40 ページ40
ジョングクのメッセージは翌日にも来た。
自宅に来てもらうから運転手と車を寄越すなんていう内容で勿論丁重に断った。
どんな顔して乗っていれば想像もつかない。
だから普通のタクシーを当たり前のように自分で手配して出かける準備をする。
玄関を一歩出ると今日も雲が低い。
昨日まで冬晴れの日が続いていたのに。
:
:
:
「一…軒家…」
タクシーから降りて一言目に出た言葉はそれだった。
何となく勝手に芸能人がよく住む高級アパートかと思っていたからだ。
一軒家はなかなかまぁ、だいぶ、想定外。
圧倒される私の目の前には真っ白な高い塀。
それに不釣り合いな小さなインターホンを見つけるのは意外と容易かった。
少し震える指でそれを押すと少し間があってから'はい'と聞こえた。
多分、ジョングクの声。
「あのー…私、Aです…」
「あ、ヌナ？今開けるから待ってて」
何故敬語を使ったのか自分でも謎。
ジョングクの声はインターホンを通すと別な人のようで、多分そのせいだ。
インターホンが切れた直後、門が自動で動き出してその隙間をすり抜けて中へと向かった。
ドアへと続いているであろう道は規則も塀同様白で統一されていて、まだ未使用と言っても通用する程汚れが分からない。
こんな家に住んでる人を家に入れてしまったのか。
ゆっくり進めばそこが汚れない気がして、大きくゆっくり一歩ずつ歩いていよいよ大きなドアの前に立つ。
そこでまた門の所と全く同じ型のインターホンを押す。
「ヌナ」
てっきりまたインターホンからジョングクの声が返って来ると思っていたのに。
大きなドアが静かに開いて中から本人が出て来た。
思わず後退り。
'どうぞ'と私を招き入れる表情は私の知るジョングクで間違いないのに、ストレートだった黒い髪に緩いウェーブがかかっていて随分違う人物のように見えたからだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
