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'何?'と返す私にジョングクは'いや'と。
「ちょっと見過ぎじゃない?もしかして何かついてる?」
そう言いつつ何も付いてない自身の頬を両手で撫でた。
敢えて何か付いてると言うなら目と鼻と口だ。
そんな面白くない冗談はさておき、一瞬の間を置いて首を横に振る。
「いやただ、同じ人間なのが不思議だなぁ、と思って」
勿論、褒め言葉だ。
ジョングクは'何それ'と言って軽く笑う。
無邪気な笑顔が見える。
「顔がとかっていう意味じゃなくて、なんていうかこう、全体的な動き?とか表情とか、そういうのが全部、不思議なくらい完璧っていうか、綺麗っていうか、そう見えるから凄いなぁって」
"だから見てしまっていた"
という意味合いだ。
「、そんな事ないでしょ。僕だって普通だよ。ニキビとかできたりもするし寝てたらよだれも垂らすし」
照れ隠しをしているのか折角掻き分けていた前髪をわざとぐしゃぐしゃと乱してジョングクの目が前髪に隠れる。
「そういう意味じゃなくて。笑
しかもさ、そう、ほら、ジョングギって目がすごい綺麗で、」
自分で口に出して初めて気付く。
ジョングクの目が印象的なんだ。
いつもキラキラしてて、何も悪い物を見てない様な透き通った目で。
そういう目が何の迷いもなく私にも真っ直ぐに向けられるから時々何が見透かされてるみたいで少し戸惑って。
でも、そういうジョングクの目が見えないのは勿体無い。
ジョングクの前髪に手を伸ばして目に掛かるそれを指で退かしてみると、その目とまた目が合う。
カフェでの出来事がフラッシュバックする。
右隣で少し低く呟いたジョングクの言葉とあの時の目。
あの時と同じ視線だ。
そう思ったら心臓が一拍強く鳴ってそれも完全に同じ。
前髪に触れていた手を引いた瞬間、またジョングクに手首を掴まれてしまう。
「それ、僕が気にしてる事なんだけど」
ジョングクの目と手と声に心臓が速度を増す。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(;ω;) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です(т-т) (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かむ | 作成日時:2024年2月7日 22時