31 ページ31
予想通りチキンは35分もかからず届いた。
正確には20分くらい。
届いたチキンをテーブルに置くと相当お腹が空いていたのかジョングクが'美味しそう'と独り言を呟いてチキンの箱を早速開けた。
ソファがあっても食べる時は地べたに座らなければ食べ難くて申し訳ないなと思ったけれど、ジョングクは特に気にしてないようで
「
と何度も言いながらチキンを次々と口に放り込んでいく。
こんなに美味しいって言われたらチキン屋も本望だろう。
無我夢中で食べるジョングクに圧倒されて何故家に呼んでしまったのかなんていう事は途中からどうでもよくなった。
というよりそんな考えは消えていた。
ただ沢山あったチキンはあっという間に無くなっていって、1.5リットル満タンに入っていたコーラも三分の一くらいになった。
「ごちそうさまでした」
両手を合わせて頭を下げて丁寧な挨拶をしたジョングクが満足そうに見えてホッとする。
片付けを端的に済ませて今度は二人分のコーヒーを用意してテーブルに並べる。
マグカップが不揃いなのは仕方がない事だ。
二人ともソファに座ればいいものの、さっきと同じ様に地べたのラグの上。
ふぅーとコーヒーを冷ますジョングクの横顔を思わず凝視してしまう。
さっきチキンを食べてる時もそうだ。
チキンに齧り付いて肉を千切るちょっと野生的な表情とか、その合間合間にコーラを飲む時の首の動きとか、今のコーヒーを冷ます口元とか。
そういう日常にごくありふれている挙動さえ絵にしてしまうんだなぁ、と。
単純に凄いなぁなんて。
こんな事を思い始めたのだから、もしかしたら私もジョングクのファンになったのかもしれない。
それで次々変わるジョングクの言葉選びとか一挙一動に私の何かが突き動かされているのかも、と思ったら納得がいく。
そうか、そうだ。
「ヌナ、ちょっと…」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 355人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
