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バスに乗らないと家までこんなに近いとは。
停留所に停まらないって大きいな、なんて思ってるうちに私の部屋のあるヴィラの前に車を停めた。


「ありがとう、わざわざ」


シートベルトを外す私に対しジョングクは'ううん'と言いながら車内の音楽を完全に消した。
その直後、低い地響きのような音がどこからか。
嘘、私のお腹が…鳴った?と身構えながら巻きかけのマフラーの手を止めてジョングクにゆっくりと目を向けると


「、ごめん、僕」


と言いつつハンドルに顔を伏せた。

自分の腹の虫ではなく安堵したもののそんなジョングクを見てると私じゃなくて良かった、とは言えない。
少しの間そうしていたジョングクはハンドルから顔を上げると、上目遣いで私を見て'言い訳じゃないけど'と。


「あの辺に新しいパン屋ができたって聞いたから、それ買いに行こうと思ってあそこにいたんだよね。それで、そのパンを買いに行く途中にヌナを見かけて、あ!別に責めてるとかじゃないからね!」


静かな車内にジョングクの弁明だけが響いた。
事の顛末をこんな形で知るとは思わなかったが、そんな事よりもジョングクに私を責める気はないと知っても何だか私がこのままこの空腹の仔犬を放ったら罰が当たりそうな気がして。

でも例えば私も空腹だったと言ったところで、これから何処かに食べに行くか、私が何か買って持たせるか。
それともーーー


「ジョングギさえ良ければなんだけど」


巻きかけのマフラーを巻きながら頭の中で今朝家を出た時の部屋の状態を思い返す。


「私もお腹空いてるし、チキンでも食べる?」


大丈夫、洗濯物はない。
あとはもう"多分大丈夫"ってくらいだけど。
何とかなる、はず。

私の提案を聞いたジョングクは大きな目を更に大きくさせて'いいの?!'と聞きつつもうエンジンを切った。
それももう尻尾をブンブン振る仔犬に見えて思わず笑みが漏れた。

車のドアがバタンと閉まった後、私の少し後ろをジョングクが鼻歌混じりで付いてくる。
自分の家に行くのに少し緊張してるなんて変な感じ。

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設定タグ:防弾少年団 , ジョングク , bts   
作品ジャンル:恋愛
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(;ω;) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です(т-т) (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:かむ | 作成日時:2024年2月7日 22時

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