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背中の一部がふっと暖かくなって甘い香りが私の右肩を包む。
顔が殆ど見えない程深く被ったバケットハットからはかろうじて口元が少し見えるくらい。
「おじさん、そんな事言わないで下さいよ。僕の彼女なのにそんな事言われたら、僕が悲しくなっちゃいますから」
その口元から綺麗な歯が見えて微笑んだと思ったら、私の肩に回した手とは逆の手でバケットハットを少しだけ上げた。
「…！ジョング、」
最後の一文字だけでも言わずに耐えただけ凄いと思う。
驚いたのは私だけじゃなくて泥酔していたおじさんもだったようで、怒号を飛ばしていたのが嘘のようにただ目をシパシパさせて固まっている。
ジョングクはすぐにバケットハットをまた戻すと私に'行こ'と小さく言って肩を抱いたまま足早に歩き出す。
一部始終を見ていた人が通り過ぎるジョングクの姿を目で追いかけてるのが分かった。
それでもまさか自分が目で追った人物がジョングク本人だとは気付いてないようで、誰一人私達の後を追いかけてくる事はなかった。
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為すがままジョングクについて歩き続けて5分程。
いつの間にか人通りの少ない路地に着くと
「怪我ない？！」
大通りとは違って割と静かな路地にジョングクの声が響いた。
思わずシッとアクションして見せるとハッと手で口を抑えた後バケットハットを脱いだジョングクが髪を何度かかき上げてふぅと小さく息を吐いた。
その後でやっと私の肩から手を退けると'ごめん'と。
ジョングクが謝る必要なんて全くないのに。
「、大丈夫？怪我とかない？」
そして不安げな表情で私のあちこちを確認する様に目を動かしてそう言う手の中でバケットハットが潰れている。
「大丈夫、ただ肩がぶつかって、私の不注意でもあるから。まぁ、それでもどうやって切り抜けようか困ってたから助かったけど」
'ありがとう'と言うとジョングクは短く溜息を吐いて
「ぶつかっただけであんなに怒鳴るとか普通じゃないからね？もっと早く行きたかったんだけど…」
そこまで言うと突然チッと舌打ちして、韓国で代表的な悪口を何の躊躇もなく吐き捨てるから私はまたシッとアクションして見せる事になった。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
