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映画のワンシーンを見てるみたいって誰かがよく言うけれど、それを自分が体験したのだ。
狭い傘の中、お互いの肩はもう殆どずっとぶつかったままで、全てがスローモーションに見える。
雨粒一粒一粒までもゆっくり落ちてるように感じて。
大した言葉も交わさなかったけれど、ジョングクがただとても楽しそうで。
「いや、良くない」
「何が？」
'へ？'と気の抜けた声を出すとミーティング室内にいる全員の視線が私に浴びせられていた。
「A的に、もっといい訳し方ある？」
その視線と上司の質問で自分が上の空だった事と、このミーティングに全く関係ないのない一言を発してしまったのだと知る。
かと言ってそっくりそのまま言えるはずがなく。
「、いえ、よく考えてみたらそれが自然で流れ的にもおかしくないと思います」
自分でも呆れる程、流暢に嘘をついた。
でも事実、こうなったら本当に良くない。
ミーティング中にぼんやりと考えてしまうなんて良くないに決まってる。
自分の中で記憶を美化してる部分もあると思うけれど、今までの人生の中で時間や風景をこんな風に感じた事がない。
相手が相手だからというのもあるけれど、歴代の数少ない彼氏にだって"好き"という特別感情があったのに。
そりゃあ歴代彼氏と比べたらジョングクの方が遥かに、いや、比にならないレベルの容姿の歴然な差はあるけれども。
デスクトップにはやりかけの翻訳の文章が並んでいて、カーソルがチカチカと点滅している。
仕事が手につかない程？
そんなに？
訳が分からずグシャリと頭を掻き毟ったタイミングですぐ背後から上司が私を呼んだ。
「お前、大丈夫？調子悪いんじゃないの？」
座ったままで椅子を回して振り向くと怪訝な表情の上司が私を見下ろしていた。
「いえ、大丈夫です、ちょっと疲れてるだけなんで、仕事します」
また流暢な嘘を吐く。
いや、上司が様子を窺うくらいだ。
ミーティング中だって今だって"流暢な"嘘ではなかったという事だ。
授業から既に4日も経過してるのに。
今日はあの日と違って雲一つない快晴なのに。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
