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私は本とタブレットを。
ジョングクは携帯とタブレットを。
一瞬自分の中の不穏な思考に疑いをもったけれど、すぐに払拭できたから勘違いだったみたいだ。
今日のスタートはあまり良い物とはいえなかったけれど、それを挽回するレベルで今は授業らしい授業を進められている。
私が教える事をジョングクは時々眉を顰めながらも頷いてよく聞いて、都度タブレットに熱心にメモを取る。
これがあるべき姿。
「…でね、この"彼氏"と"彼女"っていう単語は」
マーカーで引いたその文字は漢字で書かれている。
私には見慣れた物だけれどジョングクにとってはきっと違うはず。
自分のタブレットに平仮名でそれを書いてジョングクに見せる。
説明に夢中になってて気付かなかったのだが、ジョングクは頬杖をついていてさっきまでのやる気姿勢は見えない。
が、ジョングクの目は私をただじっと私を捉えている。
"やる気がない"と判断するには難しいその視線に思わず私が目を逸らして、コーヒーに手を伸ばす。
「ヌナは僕とこうして会ってて彼氏は怒らない？」
冷たいコーヒーが喉を流れて行く感覚で少しリフレッシュ出来ると思ったのだが、それは失敗に終わる。
ジョングクの思いがけない一言は、本当にあまりにも思いがけなさ過ぎて。
目を逸らしたはずなのに気付けば自分からジョングクの目を見る事になる。
「、ん？彼氏…？」
私の問いかけにジョングクは'うん'と声を出して頷いたが、ただ訳が分からない。
彼氏の有無についての話しなんてした事がないし、そもそも私には彼氏なんて存在がいない。
何の事？と言う前にジョングクが頬杖をやめて
「こないだ、ヌナが男と焼酎飲みながらサムギョプサル食べてるの見たよ」
'こうやって頭撫でられて'と黒いサラサラの髪を少し雑に自分でガシガシと撫でて見せた。
男、焼酎、サムギョプサル、頭を撫でる
「あぁ、それは彼氏じゃなくて友達、ね。語学堂の時の友達」
それで碧斗の事だとようやく気付く。
ジョングクが彼氏だと勘違いしたのは"私が碧斗といるのを見た"というより、頭を撫でるというごく一部のシーンを偶然見てしまったからだと思ったら何故かおかしくて軽く笑ってしまった。
それとほぼ同時に、天井のガラスにポツポツと雨粒が落ち始めた。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
