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「こんにちは」
挨拶の言葉を日本語で口にしたジョングクが布を開けて立っていた。
「傘、ジョングクさんが貸してくれたんですか？」
同じ様に挨拶をするべきなのに。
私のそれに一瞬'えっ'と小さく声を漏らしたジョングクだけれど、すぐに何の事なのか思い出した様で、どんな反応をするかと思いきや何故か満足げに微笑んだ。
「だってさすがに見過ごせないですよ。それに僕は通りまで行けば迎えの車があるし、いや、僕がヌナを送って行ければ傘は貸さなかったかもしれないけど、…いや変な意味はなくて、ただ普通に」
まるで流水の様にジョングクから多くの言葉が流れ出ては私に降り注ぐ。
予想していた返答の倍以上。
弁解のように聞こえるけれど、ジョングクは相変わらず笑顔である。
ジョングクは布を押さえたままだし、布を隔ててあちら側とこちら側だし、きっともう少ししたら私のアイスコーヒーを持った店員が来るだろうし
「ジョングクさん」
私が一歩踏み出してあちら側に。
そして名前を呼ぶとそれまで流れ続けていたジョングクの言葉が止まる。
「ただ、もしジョングクさんが貸してくれたなら直接ちゃんと礼言いたいなと思っただけなんで…」
背後で布がバサリと音を立てた。
ジョングクが布から手を離したのだ。
少し見上げるとそこにはジョングクの顔があって、私の次の言葉を待っているのか黙ったままゆっくり頷いている。
ほら、やっぱり。
ジョングクの目がキラキラしていてそれが羨ましくて可愛いなぁって…
「お邪魔、しますね」
私の物でもジョングクの物でもない声と布が動く音。
それに勢いよく振り向く私、真ん丸の目を声の方に向けるジョングク。
そして一人冷静なカフェの店員、という構図。
「お邪魔じゃないです」
捨て台詞を吐いて店員のトレイからアイスコーヒーを奪ってそそくさと椅子の方に向かう私は慌てている。
店員が"お邪魔"なんて言ったせいだ。
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かむ(プロフ) - aishinさん» 初めまして。いえ、こちらこそ読んで頂きありがとうございます。良かったらまた何度でも見に来てくださいねㅎㅎ (2月17日 21時) (
レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
aishin(プロフ) - かむさんはじめまして 素敵なお話ありがとうございます。一気に読みました。ジョングクの不器用で優しいそして何より一途な魅力全開の作品です💕これからも応援してます (2月17日 12時) (レス) @page24 id: 2f5b0c03f1 (このIDを非表示/違反報告)
かむ - senra1003さん» ありがとうございます(；ω；) (2月12日 19時) (レス) id: 40531361f3 (このIDを非表示/違反報告)
senra1003(プロフ) - 最高です（т-т） (2月12日 1時) (レス) @page47 id: bf42e69a0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かむ
| 作成日時：2024年2月7日 22時
