落下 ページ3
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気がつけば空中だなんて誰が想像出来る?
『うわぁぁぁぁぁぁぁ!』
ここどこ?!悟どこ?!私誰?!いや流石にそれは無い。
まるでさっきまでのシリアスな雰囲気が嘘のようだ。実際私はそんなに精神は弱くない。
かなり高度なところにいる。下は樹海のように木々が生い茂り、大きな山もあった。
なんだあの禍々しい山は。あれか、心スポか?!結構がちでヤバイ系の?!
とりあえず流石にここから落ちたら一溜りもない。何とかしなければ。
集中し、呪力を練る。
【エデン、パラシュート】
呪力が形を成し、大きなパラシュートが造られた。
ふわふわとゆっくり地面に落ちていく。
にしても、何でこんなところにいるんだ……?確か私、体がパラパラと消えていってたよね?
あの腕は転移系の術式を持っていたのだろうか。きっと、叩いたことで発動するんだろうが……
ガサガサガサッと音を立てて木に落ちた。
急いでパラシュートを外し、地面に降りる。
特に怪しい気配は無い……だが、何か感じる。私の勘が言っている。
「何者ですか?!」
『……こども?』
気配がしなかった……
ステッキのようなものを持った女の子。彼女は一体何者だ。
『ごめん、入る気はなかったんだけど、不可抗力でさ……』
「ここは私有地です。不審な者は、即刻排除します。今からならまだ見逃しましょう、立ち去りなさい!」
まさかの私有地。こんな膨大な樹海が私有地なの?まさかあの禍々しい山も??五条家よりも金持ちじゃない?
『あー……うん、わかった。去るけど、どこから出られるの?案内してもらえるかな?』
「……わかりました。ですが、不審な動きを発見次第、始末します」
『物騒だなあ……別に(出来ないだろうから)いいけど』
着いてきてください、と彼女は私の前を歩く。
沈黙。少し気まずい。
『ねぇ、ここってどこなの?』
「……貴女、何も知らないんですか?ここはククルーマウンテン。ゾルディック家の邸宅外です。この樹海も私有地で、基本的にはあそこの門を通らない限り侵入は不可能です」
警戒の色を滲ませながら私を睨む女の子は、本当に何も知らないのか?と問いかけるようだった。
『へぇ〜。わたしは空から落っこちてきたから、知らないんだよね』
「おっこちて……?!」
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作者名:成海 なるせ | 作成日時:2024年1月13日 15時