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「Aただいま！あれ、ヒョンもいたの？」
キャリーバッグを引いたテヒョンが驚いた表情で私たちのもとへ駆け寄ってくる。
「ああ、さっきそこでたまたま会ったんだよ」
『うん、そう』
「そっか、二人ともわざわざありがとう」
テヒョンは嬉しそうに私たちの間に入って歩き出した。
『研修どうだった？』
「んーまあまあかな。英語が全然話せなくて困ったけど」
「だから言ったろ。ちゃんと語学の勉強しておけって」
「みんながみんなヒョンみたいにできるようにはならないんだよ。あーあ、一家に一台ＲＭがほしい」
『ＲＭ？』
「ああ、ＲＭっていうのはナムジュニヒョンが昔趣味でラップやってた時の名前。ラップモンスターの略」
「やめろ、黒歴史なんだから」
「そん時の写真あるけど見る？」
「やめろって！」
私といる時とは少し違ういたずらっ子のようなテヒョンと普段真面目なナムジュンさんからは想像もつかないようなヤンチャな過去と。
彼らがふざけ合う姿は、まるで本物の兄弟のように見えた。
心から思う。彼らに出会えてよかったと。
テヒョンから始まって、ジョングクくん、ジミン、ナムジュンさん、ユンギ先輩、ジンさん、ホソクさん。
すべて縁が縁を繋いでできた出会いだった。
今、こうしてテヒョンと一緒にいられることも、私にとっては何よりの奇跡なのだ。
「A何してんの〜？早く行こうよ」
テヒョンが道の真ん中で立ち止まってしまった私の方を振り返り、手招きをする。
「一週間も韓国料理食べてないからもう死にそう。ヒョンのお金で何か美味しいもの食べに行こう」
「ヤー」
ナムジュンさんに小突かれて、テヒョンはいたずらっぽく笑う。
そんな何気ない笑顔が私の目にはとても幸せそうに映った。
私たちは皆迷える子羊。不器用ながらもこうやってお互いに支え合いながら生きている。
今日も、明日も、これからも。
『やった〜！何食べますか？焼肉？』
「あーAさんまで…」
「俺コッテギがあるお店がいいなー」
だからこれからもずっと、不器用なあなたの隣にいられますように。
fin
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hatakekakashi84(プロフ) - おもしろかったです！Twitterフォローしたのでお願いします！ (2021年12月31日 19時) (
レス) @page48 id: fe6888fa87 (このIDを非表示/違反報告)
タナ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。最高でした。素敵な時間をありがとうございました！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: 13f7b09681 (このIDを非表示/違反報告)
かむり - 最高です…！！！ (2019年12月8日 14時) (レス) id: d90aae6f87 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - こんにちは続きがめちゃくちゃ楽しみに待ってますTwitterフォローさせて頂きましたよろしくお願いしますいつも素敵なお話ありがとうございます (2019年11月11日 13時) (レス) id: fb4a224a7d (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - ヤバイです！めっちゃドキドキします！続き楽しみにしてます〜!!! (2019年10月13日 12時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kasu
| 作成日時：2019年9月22日 23時
