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そろそろ彼らの物語にも終わりが近づいてきている頃だろう。
客観すれば一目瞭然なことも、主観になれば分からなくなり、迷い、彷徨い、そして物語は思ってもみなかった結末に辿り着く。
元々この世界はそういうものなのだ。そういうふうにできている。
「Aさん、あの日以来ですね」
そう声を掛けてきたのはナムジュンさんだった。
金浦空港国際線ターミナル。今日はテヒョンが一週間のアメリカ研修から帰ってくる日である。
『お久しぶりです。その節はお世話になりました』
「お変わりありませんか？」
『はい、おかげさまで』
「そうですか、よかったです」
話す話題が尽き、どことなく気まずい空気に気を揉んでいると、突然ナムジュンさんがそういえばと口を開いた。
「ユジョンさんのこと、テヒョンから何か聞きましたか？」
『いえ、特に何も…』
「実は二人は正式に許嫁の誓約を破棄したそうです」
『え…』
「あ、でもユジョンさんはテヒョンの次に控えていた財閥の御曹司とまた婚約したそうなので、将来的には何も心配ないですよ」
『そうなんですか…』
ユジョンさんとテヒョンの婚約が破棄されたことについては、正直に言えばほっとした。
しかし、いまだにすっきりしない部分もある。
『あの…もしかしてユジョンさんはテヒョンのこと、少なからず好きだったんじゃ…』
「まあ、その可能性は否めません」
『だったら…』
「Aさん」
ナムジュンさんが私の言葉を遮るようにして口を開く。
「もしユジョンさんがテヒョンに想いを寄せていたとして、あなたは彼女のためにテヒョンを諦めることができるんですか？」
『そ…それは…』
「中途半端な優しさはいつか誰かを傷つけます。Aさん、そんなこと考えたらきりがありませんよ」
『はい…』
ナムジュンさんの言葉に、私は口を噤むしかなかった。
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hatakekakashi84(プロフ) - おもしろかったです！Twitterフォローしたのでお願いします！ (2021年12月31日 19時) (
レス) @page48 id: fe6888fa87 (このIDを非表示/違反報告)
タナ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。最高でした。素敵な時間をありがとうございました！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: 13f7b09681 (このIDを非表示/違反報告)
かむり - 最高です…！！！ (2019年12月8日 14時) (レス) id: d90aae6f87 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - こんにちは続きがめちゃくちゃ楽しみに待ってますTwitterフォローさせて頂きましたよろしくお願いしますいつも素敵なお話ありがとうございます (2019年11月11日 13時) (レス) id: fb4a224a7d (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - ヤバイです！めっちゃドキドキします！続き楽しみにしてます〜!!! (2019年10月13日 12時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kasu
| 作成日時：2019年9月22日 23時
