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ナムジュンさんから話を聞いたあと、私はすぐに会社を飛び出した。
───テヒョンには父親が決めたユジョンさんという許嫁がいます。
会長の意向で、二人はこれからアメリカで暮らすことになったんです。もしまだあいつのことを想っているなら…行ってやってください。
ナムジュンさんの言葉がずっと頭に響いている。
私情のために自分の仕事を投げ出してくるなんて、社会人として失格かもしれない。
でも、もうそんなことどうでもよかった。
テヒョンにさえ会えるのならそれでよかった。
たくさん酷いことをした私のことをテヒョンは嫌いになったかもしれない。
たとえ拒絶されるとしても、冷たくあしらわれるとしても、振られるなら今度こそテヒョンの手で決着をつけてほしい。
ただその一心で、私はテヒョンが住むマンションへと走った。
彼の家は高級マンションなだけあってそのセキュリティはかなり厳しく、非居住者のみで中に入ることは不可能に等しい。
テヒョンを呼び出そうにも彼の部屋番号をよく覚えておらず、私はマンションに着くなりロビーの受付に詰め寄った。
『あの、すみません。このマンションの最上階にキムテヒョンって人が住んでると思うんですけど…』
「あー…申し訳ございません。そういった内容のご質問にはお答えできないことになっておりまして…」
『そ…そこをなんとかお願いします』
「これは規則なんです。申し訳ございません」
なおも食い下がったが、受付に立つ女性は頑なに応じてくれない。
こうしている間にもテヒョンはすでに空港へ向かってしまっているかもしれないのに。
色んな考えが浮かんでは消えて、私の思考をさらに追い詰めていく。
『もう時間がないのに…早くテヒョンに会わなきゃいけないのに…』
不安に耐え切れなくなって、私は泣きながらずるずると地面に座り込む。
その時だった。
「…A？」
背後で私の名前を呼ぶ声がした。
驚き、振り返った先で、私は涙で滲んだ視界の中に彼の姿を捉えた。
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hatakekakashi84(プロフ) - おもしろかったです！Twitterフォローしたのでお願いします！ (2021年12月31日 19時) (
レス) @page48 id: fe6888fa87 (このIDを非表示/違反報告)
タナ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。最高でした。素敵な時間をありがとうございました！ (2021年3月14日 20時) (レス) id: 13f7b09681 (このIDを非表示/違反報告)
かむり - 最高です…！！！ (2019年12月8日 14時) (レス) id: d90aae6f87 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - こんにちは続きがめちゃくちゃ楽しみに待ってますTwitterフォローさせて頂きましたよろしくお願いしますいつも素敵なお話ありがとうございます (2019年11月11日 13時) (レス) id: fb4a224a7d (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - ヤバイです！めっちゃドキドキします！続き楽しみにしてます〜!!! (2019年10月13日 12時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：kasu
| 作成日時：2019年9月22日 23時
