検索窓
今日:5 hit、昨日:20 hit、合計:508,542 hit

80 ページ30











『…だから何のことですか』









ナムジュンさんの言っていることはよく分からなかった。









それと同時に彼の余裕のある口ぶりが癪に障った。









「…テヒョン」

『……』

「本当のテヒョンのこと、知りたくないですか?」

『何か知ってるんですか?』

「はい、もちろん」









彼はそう言って、アメリカーノを一口啜った。









知りたい。私の知らないテヒョンのこと。









私にはそれを知る義務がある。









『…教えてください』









ぽつりとそう言うと、彼は静かにテヒョンのことを語り出した。









「実は私の父親は長年この会社の役員をやっておりまして、会長のいわば右腕のような存在だった父の影響で、私は会長の息子であるテヒョンと幼い頃から一緒に育ってきました」









彼は昔を懐かしむような優しい目で思い出を語る。









「当時、僕と出会った頃のテヒョンは、とても奥手な少年でした」

『奥手…ですか?』

「ふふっ、想像もつかないでしょう?でも、本来の彼は今でもここの奥深くにいるんですよ」









そう言って彼は自分の胸をトンと軽く叩いた。









「テヒョンが変わり始めたのは中学校に上がった頃でした。ちょうどその頃、彼の両親が離婚したんです」

『え…』

「テヒョンは生粋のお母さんっ子でしたから、もちろん母親についていくことを望みました。しかし、母親はそれを拒否したんです」

『そんな…』

「きっと父親からの圧力もあったと思います。テヒョンは会長にとって唯一の跡取り息子ですから。でも幼いテヒョンにとって、それは母親に捨てられたも同然の感覚でした」









81→←79



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (633 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3014人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , バンタン   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

hatakekakashi84(プロフ) - おもしろかったです!Twitterフォローしたのでお願いします! (2021年12月31日 19時) (レス) @page48 id: fe6888fa87 (このIDを非表示/違反報告)
タナ(プロフ) - 一気に読ませて頂きました。最高でした。素敵な時間をありがとうございました! (2021年3月14日 20時) (レス) id: 13f7b09681 (このIDを非表示/違反報告)
かむり - 最高です…!!! (2019年12月8日 14時) (レス) id: d90aae6f87 (このIDを非表示/違反報告)
Yellow8938(プロフ) - こんにちは続きがめちゃくちゃ楽しみに待ってますTwitterフォローさせて頂きましたよろしくお願いしますいつも素敵なお話ありがとうございます (2019年11月11日 13時) (レス) id: fb4a224a7d (このIDを非表示/違反報告)
カフェ猫 - ヤバイです!めっちゃドキドキします!続き楽しみにしてます〜!!! (2019年10月13日 12時) (レス) id: baaac411fe (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:kasu | 作成日時:2019年9月22日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。