韓国人のBoyfriend【JK】2

59話 ページ9

カーテンの隙間からのぞく日差しが朝を知らせている。






後ろにいる恋人は私の髪を撫でたり、
解かしたりしてる。




振り返ると、
ジョングク君はまだ服を着てなかったから、
直ぐにまた背を向けた。






『眠れた？』


「うん」


『よかった』





ホッとしたような声。


後ろからふわっと抱き締められると、
彼の右腕のタトゥーが見えて、
その模様をじっと見つめる。



昨夜の事が現実だと知らせる痛みと幸福感。



私は、ふとジョングク君と出会った時の事を
思い出した。




私とぶつかって謝りもせずに消えた彼。

バイト先で再会した時の冷たい目。


私を愛しそうに大きな腕で包み込む、
目の前のジョングク君と、
本当に同じ人物かと疑いたくなる。





あの頃の私は、
彼とこんな風になるなんて想像も出来なかったな。



ふふ、と笑うと、

ジョングク君が、何笑ってんの？
と不思議そうにしてる。






『そういえばさ、
もうすぐAちゃん誕生日でしょ？
プレゼント何ほしい？』







あっ、そうだった。
もうすぐ21歳になるんだった。
すっかり忘れてた自分のバースデー。




今ほしいもの全て手に入れたばかりだから、
何にも思いつかなくて

「何でもいいよ」
と答えると、






《グクー？いるー？
ごめん、鍵空けて？》


って誰かが部屋をノックする音が聞こえる。




『やばっ、今何時？』




慌てて、枕元の時計を見ると、
9時を回っていて、
甘い空気は一瞬で現実に引き戻された。





『あいつ帰ってくるの早いんだけど、何でだよ』





あいつ＝ジョングク君のルームメイトは
帰ってきてしまった。






ジョングク君はすんごい音を立てて
バタバタベッドから降りると、
床に散らばってる服を急いで拾い集めて、
すんごい速さで着替え始めた。




私はシャツとかはもう着てたけど、
パジャマは床に置き去りにしたままで、
それを、私にふわっと投げると、

彼は小さな声で
『布団の中に隠れてて』と言った。





…………パジャマと一緒に潜ってみたけど、
これ、絶対バレない？

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