韓国人のBoyfriend【JK】2

86話 ページ36

私の言葉を聞いて、


〈ほんと？なんで？いつこっちに来るの？〉

ってジスは身を乗り出して、
ダラダラ喋る私を待てないようで、
一気に言葉を並べた。






｢私、ホテルで少しバイトしてたじゃん。
そこで一緒に働いてたユンギさんって覚えてる？｣



〈あー、あの色白の不健康そうな人？〉



はは、確かに。






日本に戻ってきて、
韓国人向けの日本語教室に勤め始めた私。

そんな時、普段から連絡を取り合ってたユンギさんから、
また韓国来る気ある？
ってメッセージが来た。




ユンギさんが就職したレコード会社の社長が

日本語が出来る通訳を探してて、

少し前にやってみないかと誘われた。



私に通訳なんて、そんな事出来るか悩んだけど、

また韓国で新しい事にチャレンジしようって

決意したとこだった。







約１ヶ月後、私はまた韓国に戻る。




〈じゃあ、私が会いに来なくてもよかったじゃん〉

って嬉しそうに微笑んでるけど、
ちょっと目が潤んでるジスを見て、
私も何か泣きそうになった。






〈もしかして、そのユンギさんって人といい感じなの？〉


｢ぇぇ。違うよ、
ユンギさんはお兄ちゃんみたいな……そんな感じ｣





そう答えると、ジスは伺うように私を見つめる。








〈……ジョングク君のことは？
もう思い出したりしない？〉



答えるのに少し間を空けちゃったのは
私が言葉を選んだから。






「誰それ？知らない」

って言うと、

ジスは目を丸くした後、

〈そっか、うん。よかった。
知らないよね……〉

と言った。





大丈夫だよ、ジス。


私の初恋は、韓国に捨ててきたあのノートに、
全部しまいこんだの。

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