韓国人のBoyfriend【JK】2

81話【JK】 ページ31

俺が飛び出して行きそうなのを見て、ジンヒョンは
《もう間に合わないよ、
15時出発の飛行機って言ってたから》

って言って、食べ終わったクッキーの箱を閉じた。






《もしかして呼び止めるつもりだった？
馬鹿じゃないの？》


『……そんなんじゃないけど、』


《一緒にはいれないけど、
この国にはいてよ？って？
随分虫がいいね》







違うって。
分かってるよ。

そんな権利、俺にないって。




だけど、
さよならも、
何もないなんて。





《Aちゃんは、
お前がいる国にはもういたくないんだよ。
お前のせいで、韓国好きの女の子が一人いなくなっちゃったじゃん。
どうしてくれんだよ》



って言いながら、
何か手紙みたいなのを鞄にしまったから、
目をやると、

《Aちゃんが教えてくれた日本の住所。
俺に手紙書いてくれるって。
嬉しいなー》


ジョングクには絶対教えないよーって
立ち上がったヒョンは
そのまま部屋を出て行こうとする。



俺は何も出来ず、突っ立ったまま。







《Aちゃんの手っていつも荒れてたよね》


出て行くかと思ったら、
振り返って、ヒョンはそう言った。



『………え？』



《女の子達みんなが嫌がる皿洗いも、
床の掃除も、花の水やりも、
全部Aちゃんがやってくれてた。
だから、あの子の手はいつも真っ赤でアカギレしてた。
人がしたがらない事をしてくれる、そんな子》




『……うん、そ、』




《その手を離して、
他の女の手を握ったお前は、
大馬鹿野郎だ》






俺の相槌を遮って、
聞こえてくるジンヒョンの大きな声。








バンとドアが閉まる音がした。











あんな事しといてさ、
裏切っといてさ、





もう一度だけでいいから会いたい………








なんて思ってる俺は、
ヒョンの言うとおり、
大馬鹿野郎だ。

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