韓国人のBoyfriend【JK】2

80話【JK】 ページ30

『お疲れっす』



いつものようにバイトに出勤してきて、
休憩室に行くと、
ジンヒョンがすごい勢いで、
クッキーを頬張ってた。





俺の顔を見るなり

《ふん、》
って声にならない声出して、
何でか分かんないけど、
めちゃくちゃ不機嫌って事は分かった。





俺が隣に座っても、
何も言わず、ずっとクッキー食べてる。

テーブルにポロポロこぼれてんだけど……






『どうしたんすか、このクッキー？うまそう』

って一つ貰おうと思って、
手をつけようとすると、べしって音がして、
俺の手は思いっきり
ジンヒョンに叩かれてしまった。





《お前には、ぜーっったいやんない》


『いった、何？』






テーブルに置いてあるクッキーの箱に目をやると、日本語で書いてあって、全く読めない。









日本語…………？
何で？



え……？






『Aちゃんから？』


《そうだよ、》


ジンヒョンはまだ食べるの止めずに、
次から次に口の中に放り込んでる。

よっぽど俺に食べられるのが嫌らしい。






『来てたんっすか？』


《うん。お別れの挨拶に来てくれた》







は？お別れって？

バイトはもう数ヶ月前に辞めたじゃん。

俺がいない時を見計らって、挨拶に来てたじゃん。


今更何のお別れなわけ？






《今日飛行機で日本に帰国するんだって、
それで来てくれた》



俺の考えてる事が読めたのか、
ジンヒョンはそう言った。






『帰国って一時的な？』


《何で？んなわけないじゃん。
大学辞めたんだよ、Aちゃん。
お前知らなかったの？》







…………は？何それ？
何で？

知らないよ、何にも。









『飛行機何時ですか？』


《は？》


『何時の飛行機で帰るって言ってましたか？』






気づいたらもう立ち上がってた。


何がしたいのか自分でも分かんない。






だけど、この国からいなくなるなんてさ、
そんなのさ、
意味分かんないよ。





だって、夢があるって、
言ってたじゃんか。

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