韓国人のBoyfriend【JK】2

78話 ページ28

部屋に向かうエレベーターの前のベンチに、二人で腰かけた。



ボラさんは私に缶コーヒーをおごってくれたけど、
私コーヒー飲めないんです、なんて言えないから、
そのまま受け取った。





〈焼肉屋さんのバイト辞めたんだね〉


｢はい……｣


〈私のせいだね〉


｢誰のせいでもないです｣



ボラさんは缶コーヒーをぐっと飲んで、
私の方に顔を向けると、
〈ごめんね〉
って呟いた。




｢謝る必要なんてないですよ｣


〈でも、〉


｢私は平気です。
ジョングク君はずっとボラさんが好きだったから、分かってたから｣

そう言うと、ボラさんは
Aちゃんは優しいねって。






〈優しくて、強いなぁ。
私ね、誰かが側にいてくれなきゃダメなの〉


｢誰か？｣


〈そう、誰か〉




誰かって、何？
ジョングク君じゃなくてもいいの？

二人の事は私には関係ない。

だけど、そんな言い方は嫌だ。

誰でもいいみたいな“誰か”
なんて。

私はジョングク君じゃなきゃダメなのに……。







｢聞いてもいいですか？｣


〈……うん？〉


｢ボラさんは、ジョングク君が好きですか？
ジョングク君だけ見てくれますか？｣



気づいたらそんな事口にしてた。





〈どうしてそんな事聞くの？〉


｢だってジョングク君はボラさんをすごく好きです。
だから、ボラさんも同じように彼を好きでいてほしいです、｣




もし、まだボラさんの中にジミンさんがいるんなら、ジョングク君が可哀想だ。


好きな人の側にいても、
その好きな人が他の人を想ってるって、
どんなに辛くて、苦しいか私は知ってるから。




〈分かんないな〉

ボラさんは私がした質問には何も答えずに
そう呟いた。




〈自分の事裏切った男の事、
どうしてそんな風に心配するの？〉





冷たい目をしてた。
そして、
〈眩しすぎるよ、Aちゃんが〉
そう言って、缶コーヒーを飲み干したボラさんは立ち上がった。








〈現実を教えてあげるよ〉


エレベーターの方に進むと、
ボタンを押して、彼女は振り返った。




〈グクね、Aちゃんの事好きでもなんでもなかったって言ってた。
ただ、寂しさを紛らわす為の子だったって〉

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