韓国人のBoyfriend【JK】2

74話 ページ24

《そっか……分かった》



突然バイトを辞めたいと言った私に、
ジンさんはそう言った。



怒りもせず、いつものようにヘラヘラもしてない。
ただ、《寂しいなぁ〜》って呟いて、
理由も何にも聞いてこなかった。

でも、全部察してる顔してた。





“バイト仲間に戻ろう！”

なんて言ったけど、

やっぱり私には無理で。

ジョングク君と何事もなかったように、

思い出が詰まったお店で働いたり出来ない。






頑張ろうって決めたのにな。

早くも頑張れなかった私。

何が日本人は芯が強いだよ、
私は弱音ばっかり。









《Aちゃんがいなくなったら、
店の前に置いてる花、枯れるだろうな》


｢……え？｣





うちのお店は、ドアの前に
花を飾ってる。

それが私はとっても好きで。

韓国でしか見れない花の名前を覚える時間も
大好きだったから、
勝手に毎日世話をしてた。






《Aちゃんが来るまでは、
すぐ枯れてて、しょっちゅう新しい花買ってきてた。
花ってすぐ枯れるんだーって思ってたけど違った。
Aちゃんが毎日ちゃんと世話してくれたから、全然枯れなくなって、
俺達の手入れが悪かったんだって初めて知ったよ、》






そう言って優しく微笑んで、
ジンさんは

《Aちゃんがいてくれて助かってた。
うちで働いてくれて今までほんとにありがと。
頑張ってくれたね》

って私の頭にぽんっと優しく触れた。







お礼を言うのは私の方だ。

初めてのバイトでいっぱい迷惑をかけた。

でも、何度ミスしても、
ジンさんは大丈夫だよって明るく励ましてくれて、

ジョングク君は冷たいけど、
結局いつも私を助けてくれた。






｢ここで働けてよかったです、｣






心からの気持ち。

私はここで、かけがえのない人達に出会えたんだ。

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