韓国人のBoyfriend【JK】2

72話 ページ22

『何でそんな優しいの？
俺、お前の事傷つけてばっかだったのに、』






違う。違うよ、そんな事ない。

ジョングク君は私に、
幸せもいっぱいくれたもん。








私の好きを受け止めてくれたのも、

初めてのキスをくれたのも、

抱き締めてくれたのも、





…………………恋する事の苦しさを教えてくれたのも、






全部ジョングク君が初めてだった。








私は、今、ちゃんと笑えてるかな？


きっと大丈夫。


日本人は芯が強いんだよ。



ボラさんみたいに、私は泣いたりなんかしない。

彼女に勝てそうなのは、
こんな風に振る舞える、強さぐらいだから。








『これ、』


ジョングク君はポケットから何かを取り出した。

ティファニーと書かれた箱の中身はきっと、
私がほしいと頼んだネックレス。








「…もらえないよ、」


『もらってよ、
Aちゃんの為に買ったんだから』





受け取るまで、
きっとジョングク君は引かないと思ったから、
私はそれを手に取った。







「……ありがと、」


って言いながら、
きっとこれをつけることはないって思った。







「帰るね、」


と言って立ち上がる。








『待って、俺ね、』

ってジョングク君は何か言いかけたけど、
私はもう話すことなんかなくて、
遮るように、「さよなら、ジョングク君」
と口にした。








『さよならなんて言わないでよ』








後ろから聞こえてくる彼の言葉を無視して、
無理に早歩きすると、
足がズキズキと痛み出した。



慣れないヒールは
こんな時には不向きだね。






もう背伸びなんかしない。
私には、スニーカーがよく似合う。

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