韓国人のBoyfriend【JK】2

64話 ページ14

｢……どうしたの？｣


『どうしたのじゃないよ、
なんで連絡返さないわけ？』






昨日の彼は黒のテイラードコートに、
スラックス、髪もセットしてたのに、

今、私の目の前にいるジョングク君は
黒のパーカーにダボダボのジーンズ。
髪はボサボサ。

別人みたいだ。





何かあったかもって心配したじゃん。

なんて彼氏みたいな事を言って、
ジョングク君は不機嫌な顔してる。




ズルいよそんなの。
すごくズルい。





ジョングク君は私の彼氏なのに。

………どうして？私以外の人を好きなの？



付き合っているのに、片思いをしている私は
底なしの海に沈められてる気分だ。








『何で黙ってんの？』



｢………ジョングク君？
好きになっちゃいけない人なんて、いないよ｣


『は？』







何が言いたいの？
なんて、分かってるくせに。







急に泣き出した私を見つめて、

『どうしたんだよ？』

ってジョングク君は驚いた顔をしてる。








ジョングク君。
もういいよ。
もういいんだ。





｢無理して私の側にいなくていんだよ。
好きな人がいるなら、その人の側にいなよ｣





ひくひく言いながら伝えた言葉を、
彼は聞き取れたんだろうか。

私は韓国語を完璧に話せるって思ってるけど、
韓国の人からすると、
もしかしたら片言なのかもしれない。





ジョングク君は黙って、
私が泣き止むのを待っていた。


私が変な男の人達に連れ去られそうになってたのを助けてくれた、あの日みたいに。










『……こんなに俺を想ってくれる子を置いて
どこにも行かないよ、』






そう言って私を抱き締めた彼のパーカーから
少しだけ、甘い香りがする。





まだ涙が止まらなくて、
息の仕方がよく分からない。

それを分かってか、
ジョングク君がぽんぽんと私の背中をさするから、それに合わせて呼吸をすると、少し楽になった。







『ずっと側にいるよ、』




その言葉に、やっと私の涙は止まって、
彼の背中に腕を回した。





やっぱり私は、ジョングク君を離せない。

この想いを止める術を誰か教えて？

65話→←63話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す