韓国人のBoyfriend【JK】2

61話 ページ11

〈そこでジョングク君がAを抱き締めて、キスしたわけよ、〉



ジスの声はよく通る。
オブラートに包んでない話の内容のせいで、
近くにいるお客さんにチラっと見られた気がして、
ジスの口を塞いだ。




私がバイトばかりしてたせいで
中々開けなかった大学の仲よしメンバーとの飲み会の席で、
本人の私じゃなくて、
ジスがジョングク君と私の進展具合を話すから
ご飯が喉を通らない。






｢もう私の話はいいよ、｣


〈いや、皆この話しか興味ないって〉




ぁぁもう。
ジスに全部打ち明けるんじゃなかったよ。





“Aとジョングク君の話で、
お酒何杯でも飲めそう”



なんて、みんな勝手に人をつまみ扱いして〜。


って考えながらも、
幸せで顔は少しニヤけていると思う。




だって、本当は、

私の彼は世界一なんだよって、

皆に言って周りたい気分だったから。






〈ねぇ、ジョングク君に電話してみてよ、〉


｢ダメだよ、今ジョングク君、実家にいるんだから｣




春休みだから、帰省してる人は多くて、
彼も数日前から釜山に帰ってる。



私も日本に帰る予定だったのに、
バイトが忙しくて、飛行機の予約を忘れてて、
結局日本行きのチケットが取れなかった。


でも、ジョングク君も直ぐに帰ってくるし、
春休みも韓国にいる方が、ずっといい気がする。




好きな人も私を好きになってくれるっていう奇跡を
初めて味わっている私は、
片時もジョングク君の側を離れたくないんだ。








ポケットに入れている携帯が揺れる。




“おやすみ”





ジョングク君のメッセージを眺めて
また私は嬉しくなって、


その下に


“うん、ジョングク君大好き”



と文字を打ち込んだ。

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