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そう言って笑うと、少し体を離して私を覗き込む。
その瞬間、体がふわっと浮く感覚。
お姫様抱っこされるなんて、恥ずかしくて
「ちょっ、何?」
って言っても何も答えないから、ただジョングクにしがみつく事しか出来ないよ。
大きな腕は、私をあっという間に寝室に連れて行って、二人でなだれ込むようにベッドの中に落ちていった。
骨張った手が私の左手に絡まる。
『指輪似合ってる……』
落ちていた涙を拭われて、直ぐに始まるキスは最初から息も出来なくて、酸素がほしくて開いた口は直ぐまた塞がれてしまう。
キスが止むとジョングクは身体を起こして着ていたスーツのジャケットを脱ぐと、それを床に落とした。
スーツ…………多分新しいもの。
床に乱暴に散らばったのを見つめて
シワになっちゃうよ……とぼーっと頭の中で考えた。
ネクタイを緩めて白いワイシャツを乱雑に脱ぎ捨てる姿に、ドキドキしてそれを黙って目で追う。
辺りが暗い中でも分かるジョングクの鍛えあげられた身体を見ると恥ずかしくて、この瞬間にいつまでたっても慣れない私はやっぱり子供みたいだ。
私の視線に気づいたジョングクが
『ん?』って優しい顔で上から見下ろすから、
また恥ずかしくなって直ぐに目を逸らした。
もう何て言うか全てにおいて、ジョングクに夢中なんだと思う。
………また私に近づくと再開されたキス。
『好き、大好き。ずっと俺だけの』
普段口にしないくせに、
こういう時だけ甘い声でそんな事いうなんて、
ジョングクってやっぱりズルいよね?
でも私も同じ気持ちだから
「……私も好き、ジョングクの全部が好き」
なんて言葉を口にしてしまうんだ。
何か珍しくバカップルみたいだ。
世界一不幸な誕生日だと思ってたのに、
私は多分今、世界一幸せで………
その理由は、
私の心にいつも大雨を降らすくせに、直ぐに虹を連れてくるジョングクが側にいるから。
ジョングクに見つめられると私は、この世界の幸せを全部独り占めしてるような………そんな気分になるんだよ。
end
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なゆ - 来た❗️とうとう この日が… ふぅ 落ちついて ポチッとするのよ 行くぞぉ^ ^ (3月29日 22時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
なゆ - ‼️‼️ 何と‼️‼️ ╰(*´︶`*)╯♡ mokaさん もう幸せ〜 るんっ♪ (3月22日 17時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - なゆさん» なゆさん、このお話を大切にしてもらえて本当に幸せです♡日々のルーティンなんて嬉しすぎます💕この二人は喧嘩ばかりですが結局お互い好きなんですよね😌✨お待たせしましたが特別編を出すので読んでもらえると嬉しいです♡ (3月22日 5時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
なゆ - こんにちは mokaさん 連載中の作品を読んでも その後に必ずこちらのグクを読むという日々のルーティン! この2人のケンカしながらもお互い大好き!って所がたまらんのです^ ^ ずっと変わらずいてほしい メチャメチャ大好き! 新作も応援してます。 (3月21日 19時) (レス) id: c3cca9217a (このIDを非表示/違反報告)
moka(プロフ) - ちなつさん» ちなつさん、そんな風に言ってもらえてほんとに嬉しいです😢投稿してよかったです。ありがとうございます♡番外編をいつか載せますね! (2月19日 8時) (レス) id: 13af285613 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:moka | 作成日時:2023年11月2日 19時